サ・マーシュ(10)『ミルクチョコとアーモンドのブロックパイ』

神戸市中央区、JR、阪急、阪神の三宮から北西に7~10分ほど、NHK神戸放送局の裏手、回教寺院の斜め向かいにあるのが「パンと暮らしの サ・マーシュ Ca Marche 」さん。西川功晃シェフ(1963年生まれ)は90年代に日本を代表するパン職人のスターとして躍り出て以来、パン業界をリードするという熱い意識に衰えを見せません。いや、ますます意気軒高といった様子。
とはいえ、さすがに人並みに肉体的な衰えは襲ってきて、あちこち痛むところを抱えるようになり、“毎日全力職人”の看板を“毎日健康職人”に架け替えたとのこと。
といっても、2.5時間だった睡眠が3時間 !!! に伸びただけ(本当に何事も全力なのですよねぇ。はぁ~凄いなぁ)。講師に招かれた先で、本人一人体制でいかに効率的にパンを焼けるかを説きながら、自分自身のパン作りを見直しているところ。
超々多忙の中、今回も第19回「3.14=π(パイ)の日R」キャンペーンの商品を開発。いかにも西川さんらしい食欲を刺激するパイが出来上がりました。


●『ミルクチョコとアーモンドのブロックパイ』 径8cm 高さ4.5cm 80gほど(試作品につき、本番ではもう少し平たいものになる可能性あり)
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わーぉ、チョコパイだ! 大好きなんですよ。

作り方がシンプルでともかく面白い。
パイ生地は延ばしたものをそのまま賽の目に切り分け、軽く押さえて焼けばドミノの駒のような小さなブロックの出来上がり。
カップケーキ型の底紙に流し込むのはパータグラッセ。へぇ、珍しい。
そして、ブロックパイを盛り込み、上からもパータグラッセを流しかけ、ローストしたアーモンドスライスを散らして出来上がり。成形の労力は省けるし、計量もこの盛り付け作業を秤の上ですれば、1回きり。

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ミルクチョコとアーモンドとパイ。もうその組合せだけで文句なしに美味しい。
が、シンプルなものにかぎって、そのバランスでいかようにも変わるのですが、いつもながら西川印のソソル度の高いお菓子に仕上がっています。
パイ生地を焼き込んだ香ばしさと力強い味わいには繊細なクーヴェルチュールより、野太いパータグラッセが適しているのでしょう。
パイ生地のザクザクッと力強い食感とともに香ばしい香りと塩気が強く感じられるところへ、たっぷりのミルクチョコ風味がドバーッと押し寄せ、甘~く包み込んで行きます。塩気とあいまって濃厚な印象。
さらに、時折パリッとしたアーモンドスライスはナッツの風味も加わって、シンプルでいながら飽きさせない食感と味わいが存分に楽しめます。

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いゃあ、なんともパワフル! どこか親しみを感じるというのに、人を圧倒する強さがあるんですねぇ。お見事です。3月いっぱい販売していますから、ぜひ!!

このキャンペーンのパイに関していうと、西川シェフの開発は締切当日の朝というのが、毎年恒例のスタイル。追い込まれたプレッシャーの中で生み出される、いわば苦し紛れ的創作。あははっ~。
ところが、なのです。その仕上がりがピタリと極ってしまう。大量のオファーをクリアしてきた長年の経験がものをいうのでしょうが、摩訶不思議としかいいようのない創造力。涸れない泉の持ち主です。
ですが、ご本人まったく威張りません。「間に合わせですみませんっ」「こんな簡単なものでいいですかね」と謙虚な態度と言葉で、でもニコニコ顔で出して来るものが、ツボにハマった美味しさなのですからね。こちとらも思わず笑顔。いつもながら天晴れです。

●『ミルクチョコとアーモンドのブロックパイ』300円  (※外税)
●「パンと暮らしの サ・マーシュ Ca Marche 」
 神戸市中央区山本通3-1-3  TEL078-763-1111  定休日/月曜~水曜  営業時間/10:00~18:00
※ブログ「パイ日和おまけ」では、こちらのお店のヴァレンタインチョコレートをご紹介しています。