ブーランジュリー パリゴ(2)『アップルパイ』

大阪市天王寺区、地下鉄谷町線・夕陽ケ丘駅3番出口の北の道を上町筋まで行くと角にあるのが「ブーランジュリー パリゴ parigot」さん。日本を代表するブーランジェで、卓越した技術とともに泉のように溢れるアイデアの持ち主、安倍竜三シェフ(1976年生まれ)のお店です。
初参加の第19回「3.14=π(パイ)の日R」キャンペーンの対象商品にも、絶対的な自信作である『アップルパイ』を押し立てています。


●『アップルパイ』  15×9.2cm 高さ4cm 275gほど。
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やったー、アップルパイだ! 年末に、パンはもちろんクロワッサンシュトーレンにノックダウンされた私たちとしては、安倍シェフのパイにはとても興味津々なのでした。
じつはこのアップルパイ、毎週土日に焼いていて大評判だそうで、金曜日にしか食べ歩きをしない私たちは永遠に出会うことがなかったパイなのです。

ホールのアップルパイとしてはやや小振りですが、どこか堂々とした風格があります。ぎっしりと詰まったフィリングの充実がもたらす印象でしょうか。
生地は安倍シェフがフランスでの修業時代に習い憶えて、この方法でしか折らないと言うアンヴェルセ。3ツ折り6回。粉は中力粉。バターはデトランプに練り込むものをイズニー、生地を包む方は四ツ葉。
フィリングの林檎はフジと国光、洗って絞ったレーズンをシナモン、砂糖、カルヴァドスで炊いたもの。底にはダマンドでしょうか。焼き上がりを粉糖でカラメリゼ。

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わぉ、このボリューム感! 持ち重りがするほどだったので、フィリングの充実は想像がついていました。
切り分けて、改めてそのぎゅうぎゅう詰め振りに目が釘付け。ひゃあ、なにこのぎっしり感。4人で食べても満足できるレベルの量ですね。
おぉこれで740円! 信じられないお値段、買わなきゃソンソン。と、食べる前から前のめり気味。

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では肝心の、味です味。
パイは軽やかにサクサクッ感を振りまいています。折りが丁寧なことが見てとれる美しい層。エッジの部分は層を潰していて、いかにもアンヴェルセらしいサラサラとした食感。バターや焼き込んだ小麦粉の香りが馥郁と広がります。
持ち帰る時に膝の上に置いていたのですが、あらん、どこからか芳ばしい香りが。そうです、袋(しかもクーラーバックだというのに)から飛び出して華々しく香っていたのです。それだけでもぅ幸せ気分に。
林檎は国光のシャキシャキ感とフジのトロッと感の両方を併せ持っています。コクのある甘酸っぱさ。レーズンも利いています。ほぉ、シナモンもカルヴァドスもはっきり存在を主張。さらに林檎のジュを吸ったダマンドもより一層豊満な魅力を湛え、全体として濃厚で奥行深い味わいを作り上げているではないですか。面白いことに、一つひとつの打つ手が見事に機能しているのが分かります。

一口ごとに、思わずニマニマしてしまう素晴しい美味しさ、参ったぁ!
そうそう、1/4ほどにカットして温め、ヴァニラアイスを乗っけてより一層贅沢な食べ方もしてみました。これまた乙なものですよ、むふふ。


安倍シェフは昨秋には「モンディアルデュパン」の応援に、1月にはフランスでのデモンストレーションとイタリアの世界大会の団長としてチームを引率して渡欧。
超多忙を極めますが、休みの日はまだまだ貪欲に食べ歩いているとか。商品開発は自分が食べたいものを作るということですが、あらゆることに積極的な関心を失わないことで、自分の食欲も日々新たに前進を続けているのでしょうね。店頭に並んでいる多彩なパンの表情からもそんな強い力が伝わってきます。

●『アップルパイ』740円  (※外税)
●「ブーランジュリーパリゴ」
 大阪市天王寺区上本町9-3-4  TEL09-6774-5087  定休日/月曜、第1・3火曜  営業時間/7:30~20:00