エルベラン(12)『アップルパイ(紅の夢プレミアム)』

兵庫県西宮市、阪急神戸線・夙川駅から北へ2分ほどのところにある「エルベラン」さん。私たちが敬愛して止まない柿田衛二シェフのお店です。
二代目さんで、お父さんの柿田衛さんが開発したお菓子も“エルベランレジェンド”として9品が今も大切にされています。昔からの大ファンはもちろん、最近のお客様にも愛されている定番アイテムです。
このアップルバイもその一つ。ただ、初代のレシピそのままというのではなく、適宜見直されています。


●『アップルパイ(紅の夢プレミアム)』  辺10cm 高さ5.3cm 120gほど。
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懐かしい昔ながらのアップルパイの姿。おやっ、林檎の果肉が赤く色付いています。
かつては自店で炊いた林檎を使っていましたが、秋田県の生産者さんがコンポートにした“紅の夢”(果肉まで赤い林檎の品種)がとても魅力的だったので、それをアップルパイ用に仕入れているのだそうです。
オープン当時からのラピッド折りのパイ生地。香ばしさのためと日本人の味覚に寄り添うようにほんの少し素焼きのアラレの粉を加え、薄力粉のみで口溶けの良さを重視。バターはもちろんカルピスの低水分。ダマンドを敷いて“紅の夢”を載せて包み込んで焼いています。

切り口の赤い色が気を惹きますよね。いかにも美味しそう。
さて、一口。ホオーッ、瑞々しい。ダマンドもしっとりするくらい果汁たっぷり、ジューシーです。控えめな酸味で優しい甘さ、そしてとろっとした柔らかさ。生地はアメリカンタイプでゴツく見えますが、食べてみると狙い通り、軽やかに解けてくれます。

なんとも優しくて、甘さの満足感もあり、後口が奇麗。55年という歴史を感じさせる部分も残しながら、今の息吹もあって、こうして伝統が受け継がれて行くのだなぁとしみじみと感慨にふけってしまいます。お見事。


偉大な父親を持った二代目さんは、往々にして守りに入ってしまいますが、衛二シェフはかなり大胆。パティシエとしての腕もセンスも一流ですが、経営センスが並外れています。引き継いでから右肩上がりを続けていることからもその実力が分かりますが、この日も経営論を2時間に渡って熱く語ってくれました。
働き方改革の中での人の雇用、技術の継承が難しい時代の教育、山積する問題に一つひとつ具体的な解決策を見出しているのです。松下幸之助氏の言葉「人が嫌がることをするのが経営者」を肝に銘じているという責任感に満ちあふれた言葉も聞けました。天晴ですね。

●『アップルパイ(紅の夢プレミアム)』500円  (※外税)
●「エルベラン」
  兵庫県西宮市相生町7-12  TEL0120-440-380  定休日/火曜  営業時間/9:30~12:30、13:00~18:00(月木金土日) 水曜クッキーデー9:30~12:30、13:00~16:00
 ※ブログ「パイ日和おまけ」では、こちらのお店の『モンブラン』をご紹介しています。

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