ラ フルネ(11)『クロワッサン』『クイニーアマン』『コリーヌ』『ブルーベリーのパイ』

大阪メトロ四ツ橋線・肥後橋駅から西へ3分ほどのところにある「ブーランジュリー パティスリー ラ フルネ」さん。
もう何度も言っていますが、パンとお菓子の両方で大阪の業界を背負って立つ存在、春日崇宏シェフのお店です。奥様の友美子さんの接客も清々しく、狭いながら居心地のよさは抜群。
今回は代表的なパンから、折り込み生地というつながりで、切れ目なくお菓子へとご紹介して参りましょう。


●『クロワッサン』  12.8×8.4cm 高さ5cm 40gほど。
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わぁ、香しいっ! バターが馥郁と漂い、焼き込んだ風味もふんわりと。酵母も香っているような。
薄い層をなしたクラストの軽やかなサクッとした食感の心地よさ。クラムのもっちりと強い引きと、滑らかな口当たり。ベタベタと過剰になることも無く、サラッとしつつ、芳醇なバターの甘さを満喫。うーん、いいですねぇ。

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2回目のご紹介なので、ここで、生地のおさらいをしておきましょう。
フランス産、北米産、国産などの中力粉を中心にミックス。4ツ折り2回。醗酵にはルヴァンリキッドも使っているとのこと。
春日シェフがパティスリーとブーランジュリー、両方の経験があるため両方のいいとこどりをした結果、「パン屋さんよりはバターリッチに、ケーキ屋さんよりは粉や醗酵にこだわったパン」としての魅力を抽き出したいとのこと。
うんうん、わたしたちの感想、どうやらシェフの狙い通りにハマっているようです。個性が明確に築かれていればこそですね。お見事。


●『クイニーアマン』  9×8cm 高さ4cm 50gほど。
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これまた、2回目。クロワッサン生地に砂糖を振って、セルクルに折り込んで焼くのですが、ブルターニュの現地では有塩バターを折り込むので普通の砂糖。
が、こちらでは無塩バターを使っているので、砂糖に岩塩を加えて、仕上がりが塩カラメルになるように工夫しています。加えて、最後にカソナードも振っているそうです。
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自慢のクロワッサン生地をしっかり味わえる上に、塩カラメルの美味しさも堪能できるのです。カラメルのカリッとした食感、生地表面のサックリ感、そしてクラムのふんわり感の変化も楽しいし、生地全体に染み渡って行く甘塩っぱさが何ともいえず美味しい。
カソナードと岩塩のミネラルの香りも時折ふっと過って、さらに相乗効果を発揮しています。お見事です。


●『コリーヌ』  9.5×6.9cm 高さ4.6cm 50gほど。
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ん? コリーヌ、という名はオリジナル。シェフ曰く「こんな名前のパンはありません。ちょっとお菓子っぽいでしょ」とのこと。ふふんっ、お茶目さんですね。
こちらはデニッシュ生地のはずでしたが、クロワッサンの余り生地を活用。
ちなみに、その差をお伝えしておくと、デニッシュは一般的にやや砂糖が多く、生地に入るバターはやや多め、折り込むバターは少なめというところ。クロワッサンがサックサクのクラストが大切にされるのに比べ、デニッシュはもう少しふんわりしているでしょうか。甘さが強くなるので、よりお菓子っぽい生地だと云えるでしょう。

さて。レーズンのペーストっぽいものとチョコチップを合わせ、ピスタチオのダイスを振っています。中にも、ピスタチオが入っていて、飾りだけじゃないんですね。 
じつに、レーズンとチョコの組合せがいいです! レーズン&チョコの甘酸っぱさが基調にあって、ピスタチオのナッツ感も加わり、ありふれた素材の組合せですが、ハッとしてしまいました。
たしかにレーズンチョコがあるのだから、美味しくて当然なのですが、ケーキで使うのはあまり出会ったことがありません。いいなぁこれも。


●『ブルーベリーのパイ』  8×3.8cm 高さ3.2cm 80gほど。
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ほぅ! ツヤツヤで大粒のブルーベリー、ソソル度高し。深い紫にも惹かれます。
こちらはパイ生地。同じ折り込み生地でもイーストが入らず、醗酵過程がありません。生地が膨らまないので、パリパリ、サクサクの食感が魅力を発揮します。ショーソンに使っているいつもの生地ですが、薄く圧えつけて焼いているので、より強い食感に。
パイ生地にダマンドをたっぷり塗って、ブルーベリーとラズベリーをクレームエペスで和えたものを載せて焼いています。

タルト風の構成でシンプルに美味しいお菓子です。果実のフルーティさを存分に堪能しつつ、ブルーベリーとラズベリーの組合せの奥行きの深さ、ダマンドの豊かな味わいの上に、エベスのコクの豊かさで、とても満足感の高いパイ菓子になっています。
薄い底生地でしかないパイもパリパリ、そして豊かなバターの風味で存在感を主張。
すべてが個性を発揮しつつ一つにまとまり、繊細でいて芯の強い味わいを作り出しています。一般にブルーベリーのタルトやパイは意外と果実感に乏しいものが多いのですが……、いゃあこりゃまた、別格!


春日シェフ、シンプルだけど、食べてハッとするような業を身に付けていますね。捏ねくり回したような複雑な頭で味わう味ではなく、はっきり素材の個性が伝わって来る分かりやすさでいて、一筋縄では行かない奥行きの深さがあります。
シンプルなものは自然に身体に伝わってきますね。いつもながら、お見事です。

●『クロワッサン』205円  『クイニーアマン』248円  『コリーヌ』248円  『ブルーベリーのパイ』346円  (※内税/店頭では本体価格、税込価格併記されています)
●「ブーランジュリー パティスリー ラ フルネ」
  大阪市西区土佐堀1-4-2  TEL06-6147-5267  定休日/月曜・火曜  営業時間/10:30~19:30(土日祝は~18:30)

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