パティスリーミャーゴラ(2) 『バッカス』

京都、大徳寺近くにある「 ミャーゴラ」さん。初春に発見(2018年10月オープン)して以来の登場です。とっても気さくで愉快な奥山智浩シェフ(1984年生まれ)のお店。お一人で製造も販売も、大活躍です。
奥山さん、コンクール歴が多いだけに、オリジナルの新作を考えるのは得意のようです。つねに、なにか新しいものを、人を驚かせるものは、と自ら楽しみながら考えているみたい。それでいて奇抜な味に陥ることなく、美味しいものに仕上げるところがセンスあり。
では、今回もいざ。


●『バッカス』  径7cm 高さ4.5cmほど。
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前回食べた『タルトショコラ』の改良版。

シェフ曰く「前回が70点としたら今回は120点」。「えっ百点だったよ」と言うと「じゃあ今回は150点!」と豪語しています。あはっ意気軒昂ですなぁ。

クレームショコラ(アングレーズにマランタとミルクチョコのヘリコニアを同量ずつ加えたもの)や表面のねっとりとしたグラッサージュショコラ、カカオニブ、金箔は前回と同じ。

シュクレショコラにスペキュロス粉を加えたこと、オレンジのコンフィが加わり、ジョコンドには強烈なマンダリンナポレオンをそのままびっしょり。蓋にしていたプラリネは皮付きノワゼットのみに。
そしてクレームショコラは量をた~っぷりと、だから山のような形になっています。前回、使っているチョコレートの量は多くないのにチョコレートの風味が強いと書いたら、今度はたっぷりチョコで攻めてきましたね。

これが本当に凄いっ、ひゃあぁ~! 
bacchus の菓名通り、マンダリンナポレオンがのけぞるほどに強烈に迫ってきます。いえ、じっさいのけぞりました。濃厚です、ガツンと来ます、大好きな味です。
そのジンジンとするような強さを迎え撃つのが、たっぷりのクレームショコラとニブと力強いグラッサージュ。
そうそう、このピカピカ(恐ろしいほどの鏡面になっていて映り込みが激しく面妖な写真になってしまいました、乞うご海容)のグラッサージュもカカオの焦げ臭のしない製法に変えたとか。

チョコの旨味と風味、アルコールの刺激に負けない力強さ、溶け心地。チョコレートに求められる魅力のすべてを兼ね備えています。オレンジのコンフィの甘酸っぱさがこの暴力タッグマッチをやや安全圏に引き戻し、軽快なシュクレのサクサク感と口元へ持ってきただけで香るスペキュロスの香りの懐かしさにほっとひと心地がつくような。ふうっ。
強さに強さを合わせてバランスを取る方法はかつての名店「H.スミノ」の住野シェフの方法を思い出しますね。名人もマンダリンナポレオンにカカオ70%のチョコをたっぷり使っていたのでした。
レジェンドに負けない発想、いゃあ圧倒されましたね。お見事です。



今回、目の前で品切れになったものを「ちょっとだけお時間いただいたら」と気軽に話しをしながらあっという間に仕上げてくれたのでした。手際の良さ、仕上がりの美しさ。大した職人技ですね。



●『バッカス』580円  (※内税)

●「パティスリー ミャーゴラ」
  京都市北区紫野上門前町105-2  TEL075-204-5337  定休日/日曜  営業時間/10:00~19:00
 
 ※ブログ「パイ日和おまけ」では、檸檬のお菓子をご紹介しています。