新店登場 2019年5月1日オープン!  ラマルク(1) 『エギスアイム』

2019年5月1日、そう令和とともにスタートしたのが、京都烏丸今出川から西へ新町の通りをほんの少し下がったところにある「ラマルク LAMARCK」さん。もちろん、スタートの日だけでなく、ケーキの内容でも注目のパティスリーです。
パティシエ&パティシエールの吉田達哉さん(1982年生まれ)と典子さん(1983年生まれ)のご夫妻が、お互いにアイデアを出し合いながら仲良く作っています。
滋賀出身の達哉さんは、京都製菓製パン技術専門学校(タイワ)で学んだ後、「ホテルグランヴィア京都」で5年ほど働いた後、東京の「オリジンーヌ・カカオ」、南仏のお店とパリの「アルノー・ラエール」。パリで暮らしたところがラマルク通りだったそうで、それが店名の由来。日本に戻って、大阪の「ケ・モンテベロ」でシェフ。
岐阜出身の典子さんは短大で栄養学を学んだ後、その短大に就職したけれど、やはりパティシエを目指して、東京の「プラネッツ」で5年ほど。南仏の「ジャン=リュック・プレ」で1年。東京に戻って「リョーコ」で1年弱、「ジャン=ポール・エヴァン」でアルバイトの後、大阪へ行き結婚式場でウェディングケーキ作りに打ち込んだとか。その職場の同僚が「ケ・モンテベロ」に就職し、共通の知人が出来たことで結ばれたのだそうです。
お二人ともしっかりしたキャリアの持ち主。オープン1カ月半の時点で訪問しましたが、ケーキの完成度や応対の落ち着きぶりからもキャリアの余裕が感じられたのでした。どこか穏やかな空気が流れているのです。
お二人についてのより詳細な情報は追々お知らせする機会もあるでしょうから、まずは居心地のいいカフェでいただいたケーキの内容に参りましょう。


●『エギスアイム』  径6.7cm 高さ3.8cmほど。
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Eguisheim? 聞き慣れない名前はアルザス地方の、木骨造りの古い町並みを残した床しい村。家の窓という窓に花が飾られた“花の村”の名前。達哉さんがこの街を訪れたときの歓びが発想のヒントに。
ということで、花の薫りがこのタルトのテーマ。薔薇と菫です。

アーモンドプードルが少し入ったパートシュクレを空焼きし、フランボワーズジャムを塗り、薔薇が香るホワイトチョコガナッシュを流し、その上に、菫が香るムース。全体にホワイトチョコのグラッサージュを流して仕上げています。

陶器のようなひんやりとした美しい姿をじっくり見つめた後、おもむろにではいただきましょう。
わぁ~気品のある香りが口一杯に広がります。ふう~ぅ。
見た目通りシンプルなタルトなのですが、じつに奥が深いのです。ホワイトチョコのタルトが味のベースですが、フランボワーズの酸味がほんのりと品のいいアクセントとなり、その香りが届くころにはもう優雅な薔薇の香りに包まれています。菫の香りの確固たるイメージを持っていないので、菫は私には分かりにくかったのですが、優美さが増しているような、香りの奥行きを担っているのでしょうか。

そして、ガナッシュのなめらかな口溶けとムースの軽やかさと意外なほどの泡の力強さ。その総合的な食感の妙と来たら、もうぅ! 
ねっとりとろりに夢中にさせられるほどなのに、少しも重く感じさせない手際は、何これ! ダークやミルクに比べて底が浅く感じられがちなホワイトチョコでこれほど感心させられるとは。

タルトの軽快なサクサク感と香り、ホワイトチョコの濃度、フランボワーズの華やかな酸味、ムースの泡の技術。そして、プロローグからエピローグ、そして余韻まで続く、花束に顔を埋めたようなフローラルノート。
すべて趣味がよく、エレガント。それを実現する技術の洗練度。いやはや、感服しました。



生ケーキが毎日10~11種類、マカロンや焼菓子も。お目当てのミルフィーユは午前中に早々と売切れ。焼きっぱなしで出ていた『クィニーアマン』は梅雨時にはカラメリゼが泣いてしまうので本日まで、とシェフの言。この時季まで折り込み生地に熱心に取り組んでいるところなど、職人魂も垣間見えて嬉しい限りです。
「他所には無いものを作りたい」との考えが貫かれていて、しかも完成度が高く、しっかりとした手応えという域を越えて、信頼度の高いお店への成長を期待させるお店です。



●『エギスアイム』600円  (※外税)

●「ラマルク LAMARCK」
  京都市上京区今出川通新町西入弁財天町333-1  TEL075-496-8548  定休日/火曜・水曜  営業時間/10:00~19:00

   ※ブログ「パイ日和おまけ」では、ケーキとシュークリームをご紹介しています。