W.ボレロ(ドゥブルベ・ボレロ)(14) 『ピティヴィエ ショコラ』

滋賀県守山市という地方都市にあって、全国にその名を知られる「W.ボレロ(ドゥブルベボレロ)」さん。『アイアシェッケ』 『洋梨のタルト』など全国から注文が寄せられる名品が数多くあります。
最近ではショコラトリーとしての活躍も目立ち、「サロン・デュ・ショコラ」の常連であり、シェフの渡邊雄二さんはパティシエ、ショコラティエのリーダー的存在となっています。
そんな大御所が第18回「3.14=π(パイ)の日 R 」キャンペーンのために用意してくれたのは、『ピティヴィエ ショコラ』。では、いざ。


●『ピティヴィエ ショコラ』 ホール/径18cm強 高さ3.5cm 480gほど。  カット/辺9cm  高さ3.5cm 60gほど。
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箱にかけられたリボンが、スルリと解けて蓋を開けると、輝くばかりの香り高いパイが鎮座していたのでした。
大切な方への贈り物にこれほどぴったりなものはないでしょう。

ほうぅ、見事なクープですね。
チョコの加わった深い色といい、艶といい、美しく食欲を刺激する姿です。
こちらは『ガレット デ ロワ』も大人気のお店で、プレーンだけでなく中国茶のガレットなど変わり種も交えて、5種類。その中の一つが『ショコラフランボワーズ』。
今回はガレットをピティヴィエに作り変えての登場です。

一番大きな違いはガレットでは上のパイ生地が少し大きく、余った縁の部分を下の生地に巻き込むように成形し、浮きを抑えて焼きます。一方、ピティヴィエは縁は断ち切りのまま、上下を張り合わせて高さを出すのです。パイ生地とフィリングの比率もピティヴィエの方がフィリングが多め。

画像フィユタージュショコラは、デトランプを捏ねる時にパートドカカオを混ぜ込むタイプのもの。
中に詰めるクレームダマンドショコラもマトファーの型に詰めて円盤状に成形。
生地にフランボワーズジャムを塗り、バトンショコラを10本並べ、ダマンド円盤を置き、上の生地を重ねてオーブンへ。


さて、一口。
わぉ! サクッサクッと軽快で繊細な生地。
チョコが入っているのに、ちっとも重くない。いやそれどころか、なんて軽やかな生地なのでしょう。普通、カカオが入ると固く締まりがちなのに、まったく影響を感じさせません。

画像その食感に驚くと同時に、香りの豊かさにしばし、うっとり。噛むごとにチョコとバターの香りが立ち上がってきます。バトンが固まった部分の食感が軽いアクセント。ダマンドのほっこりと豊かな風味とともに、たっぷりのチョコレート感を味わわせてくれます。

杏仁香も過ってさらに厚みを増し、その上、フランボワーズのキリッとした酸味が強く主張し、しっかり引き締め、香りも加わって一段と奥深い味わいに。チョコレートも生地とフィリングの二重奏だし、シンプルに見えながら味の構成に神経が行き届いています。


ふうぅ、圧倒的な美味しさ。贅沢の極みのような豊かな味わい。なんて上品で豪勢なのでしょう。もぅノックダウン寸前!
なのに、えっ超格安価格。つねに最高の材料を少しでも安く入手する努力を積み重ねている渡邊シェフならでは。流石、何からなにまでお見事でございました。画像




フランス菓子を名乗るお店は数多くあります。フランス修業経験のあるシェフも数え切れません。でも、そのほとんどは10年、20年昔のフランスをなぞっているのが現状ではないでしょうか。
渡邊シェフは毎年渡仏して現在のフランスを肌で感じてお菓子作りに活かしています。有名になってもなお研究心が衰えない活動ぶりにいつもながら、ははーっ脱帽です。



●『ピティヴィエ ショコラ』320円(カット) 2500円(ホール)  (※外税)

●「W.ボレロ(ドゥブルベボレロ)」
◆守山本店  滋賀県守山市播磨田町48-4  TEL077-581-3966  定休日/火曜  営業時間/11:00~20:00(サロンドテ ラストオーダー18:30)
◆大阪本町店  大阪市中央区瓦町4-7-4  TEL06-6228-5336  定休日/土曜  営業時間/10:00~20:00(サロンドテ ラストオーダー19:30)  ※両店とも月に一度ほどの連休あり