マカロン デ オキヨ(2) 『ラズベリーパイ』

兵庫県西宮市、阪急甲陽線・苦楽園口駅から北西に3分ほどのところにある「マカロン デ オキヨ macaron de O-KI-YO 」さん。主婦の若林清子さんが週末だけ(金曜日終日&土曜日の午前中)開いている玄関先のお店です。店名通り、マカロンがメインですが、生ケーキや焼き菓子も素晴しい。ほかにもオーダーマカロンやオーダーケーキ、お菓子教室と頑張っています。
形態からすると素人営業と言うべきものですが、その味はエクスキューズなしでプロのベテランたちと並べてもなんら遜色のないレベルに達しています。

じゃ、なんでもっと紹介しないの? と言われそうですが、週末は私たちのケーキ遠征の曜日に当たっていて、帰ってくる時刻にはすでに売切れているし、ご近所だからいつでも買えるさ、などとのんびり構えていてご無沙汰となってしまっていたのです。
でもここ数ヶ月パイが頻出しているではないですか。よっしゃ、これはほうっておけないと他の候補を投げ捨てて買ってきました。それに、あの明るいおしゃべりも恋しくなってきたからね。今回もきゃーきゃー言いながらの賑やかな購入となりました。


●『ラズベリーパイ』  辺8cmほど。
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私たちが「3.14=π(パイ)の日 R 」キャンペーンで走り回っている期間に、黒板に書かれた『タルトタタン』『アップルパイ』や『カシスパイ』の名前を横目に見て泣く泣く通り過ぎていたのでした。

なかでも『カシスパイ』は赤い実の一つとして使われてはいても、前面に押し出した商品はめったにありません。
珍しいだけにどうしても欲しくて3週連続で訪れてみたのですが作っていませんでした。ボワロン社のカシスピューレが無くなって今度購入したのがラズベリーピューレ。

ということで『ラズベリーパイ』の登場です。春色のパイです。
手折りのパイは強力粉:薄力粉=1:1、醗酵バターを使った普通折りで3ツ折り6回の標準タイプ。空焼きしたパイ生地は層が水平に伸びて鱗片も細かく上々の仕上がり。

フィリングはレモンカードのラズベリー(フランボワーズ)版。少し酸味が足りないのでレモン果汁を加えているとのこと。
トップはメレンゲではなくクレームシャンティ。中沢の濃度の違うものをブレンド。比較的甘さを抑えたものをたっぷり盛っています。「生クリームを載せるスタイルは『エルベラン』さんの真似です、真似っ」とアイデアの出所を朗らかに広言するところは好感が持てますね。でもレモンカードを、カシスやラズベリーに置き換えることはお目に掛かったことがないので、大威張りで出してもいいでしょう。

ほぅ! 生地は空焼きで完璧に焼けていて、サクザクッと力強い食感。粉の味を抽き出すところまで焼成し、苦みは出さずに済ませています。風味の良さは出色の出来映え。
カードもラズベリー感がよく出ているし、酸味を補強したおかげで生クリームに埋没することもありません。たっぷりのシャンティが軽やかさとヴォリューム感を両方満たす役割を果たしています。
この辺りのバランス感覚は老練の域にあるような。まだ3年目なのにね。ご本人曰く「まだまだ駆け出しですから、ぺーぺーです。へへっ年齢的には駆け出しじゃないですけどぉ、あっははっ~」と明朗快活。

うんうん、美味しいなぁ、やるねー。
家庭の台所でつくる場合は、気温が低い時季はまさに“パイ日和”。なにせパイローラーなしの、完全なる手折りですからね。ということで、5月まであるかどうかというところ。残り少ない季節、ぜひ!



お清さん、「自分は甘いものを沢山食べたい性分なので」と、全体にやや甘さ控えめ傾向。その中で満足感をいかに出すか、メインの素材をはっきり伝える工夫を重ねた末の商品化が出来ています。
一つひとつの生地も自分の好みに合わせた着地点が明確で、ブレることがありません。天晴な腕前です。



●『ラズベリーパイ』400円  (※内税)

●「マカロン デ オキヨ」
  兵庫県西宮市石刎町12  TEL/無  営業日/金曜9:30~19:00  土曜9:30~12:00

  ※ブログ「パイ日和おまけ」では、こちらの『プリン』『米粉のパウンドケーキ』をご紹介しています。