デリチュース(11) 『アップルパイ』

大阪府箕面市、阪急千里線の終点・北千里駅から北東に15分ほどのところにある「パスティチュリア デリチュース」さん。2002年オープンです。
パティスリー業界は原材料の高騰で利益率が取れなくなった、若手の職人がいないなど暗澹たる話題が多い中、オープン以来17年連続で売上げを伸ばしつづけている驚異的なお店です。長岡シェフのおもてなしの心が貫かれているからでしょうね。途切れなく訪れるお客さんたちの笑顔が、期待の高さと毎回の満足感を物語っています。
今回はついに『アップルパイ』の登場です。昨年からシェフに「3.14=π(パイ)の日 R 」キャンペーンに向けてお願いしていました。超々多忙な日々のなか、きっちりと約束を果たしてくれるのはやはり流石ですね。
さぁて、一体どんなアップルパイなのでしょう、いざ!


●『アップルパイ』  辺12cm 高さ5cm 130gほど。
画像
おっオーソドックスなスタイルのアップルパイ、これこれっ懐かしい感じ、素敵です。

が、しかーし。
味はなんと“現代感覚”に溢れているのです。むむむ。

アメリカンタイプのラピッド生地ではなくフィユタージュ(3ツ折り6回)を使っているので、ゴワゴワ、ガリガリとした粗さがなく、長岡シェフ好みのサクッフワッとして、どこかしっとり感を感じさせる焼き上がり。
均一に浮いて、波打ったりしていないところに腕の冴えが見てとれます。

フィリングは、林檎(青森産秋田産のみ使用、その時季により品種は様々)の甘煮がた~っぷり、贅沢! 
こちらの名物『タルトタタン』と同じように、形を残しつつトロトロの食感に炊き上げています。やや濃厚な甘酸っぱさ。そこへカトルエピスとブランデーなどのお酒の香りを利かせています。

わぉ! なんて美味しい林檎なのでしょう。トロトロ~の心地よさ、そしてふっと過る香りの馥郁さ。
エピスはシナモンとナツメグがとくに明確でスッキリとした印象を与え、“格別な”林檎に。この利かせ方の塩梅が、長岡シェフの見事な手腕、じつに絶妙なのです。これは大人にこそ食べてもらいたい魅惑の林檎です。
さらに、底に敷いたケーキクラムがたっぷりのジュースを吸っていて、とてもジューシー。
表面には卵黄と牛乳のドリュールで色付けした上に、アプリコットのナパージュ、甘酸っぱさの奥行きを与えてくれています。


パイ&林檎、ケーキクラムにアプリコットのナパージュ。日本中で長年愛されてきたアップルパイとほぼ同じ組み合わせだし、一見ごく普通の顔をしています。
なのに、こんなにも違う。オリジナルでかなり特徴的な味わい、他店と差別化ができているのです。
要所要所に気配りのある細かな技を惜しまないからでしょう。長年のキャリアから美味しくするコツとして自然に技が出て来るのでしょうね。しかも誰が食べても美味しいと思うストライクゾーンの真ん中に持ってこれるのが凄いです。
今回、シェフに完全にヤラレてしまいましたぁ。お見事です。


画像お店ではアングレーズソース付きで温めてくれたものをいただきました。
温かなもの vs 常温。どちらも味わいが異なって甲乙付け難いのですが、林檎のトロトロ感を楽しむなら温めて、すっきり感がお好きな方は常温がいいかもしれません。
アップルパイっていろいろな食べ方ができるのも魅力の一つです。

なお、3月1日~15日は3~4台焼く予定なのだとか。いつも満員なのですぐ売り切れてしまうかも。
ともあれ、デリチュース印の定番に育ってくれると嬉しいなぁ。



●『アップルパイ』370円  (※外税)

●「パスティチュリア デリチュース」箕面本店
  大阪府箕面市小野原西6-14-22  TEL072-729-1222  定休日/火曜  営業時間/10:00~20:00