成城アルプス(1)『パルミエ』『サクリスタン』

東京を代表する老舗の一つ。初代の太田恵久さんが1965年に駒込の「アルプス洋菓子店」からの暖簾分けの形で独立したお店。現在は経営的にはそれぞれ独自とのこと。初代が急逝して息子の秀樹さんが継いでいるのですが、間に一人別のシェフがいたとのことで、正確には三代目さん。
オープン当初からの看板商品が『モカロール』。高級住宅街で、砧の撮影所も近く著名人も多く訪れる格式の高いシックなお店。私たちは、サービスがとてもオープンマインドなところに惹かれました。


●『パルミエ』  9×8cm 厚み1cm 25gほど。
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最近流行りのバリッとした焼きではなく、ふっくら。

焼き色が淡く、中はやや白っぽいことからも、あえて焼き込まない食感、風味を求めていることが分かります。
サクッと軽やかな食感とともにバターの風味が広がります。軽いカラメリゼなのですが、カラメルの香りも満足感を高めてくれます。

サクサクッと食べ進めるのですが、どこかふっくらしっとりと湿潤な感覚がついてまわります。
短時間で焼いて乾燥焼をあえてせずに、バターに含まれる水分が蒸発し生地の層を膨らませたまま、中にとどまっているような印象。
パイには禁物な水分だと考えがちですが、優しさを醸し出してとてもいい仕事をしています。
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驚くべきことに、エイジレスも乾燥剤も入ってなく、専用袋の粘着部分で封されているだけ。
それでいて購入から5日後に食べたというのに、湿気ていないのです! 
持ち味の優しさがイキイキとしているのが不思議なくらい。








●『サクリスタン(18本入)』 7.1×1.5cm 厚み1.1cm 合計100gほど。
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こちらは筒入りで長期保存も視野に入れているのか、シートドライヤーが入っています。
おかげでこちらもサックサク。

風味は明らかにパイなのですが、湿気にくくするためでしょうか、2番生地を使っていると思うのですが、層を残すのではなく、あえて潰しています。ほとんどクッキーのような食感。

隠し味にアールグレイの香りがするのですが、茶葉は見えず、香り付けの方法は企業秘密だそうです。

この香りがこれ見よがしではないのです。うかつに食べていると素通りしてしまうのではというほどに淡い香り。その品の良さと行ったら、もう。力強い食感をそっとなだめているような風情です。いいですねぇ。



画像訪れた日は日曜日の夕方ということですでに品薄だったのが残念でしたが、お客さんで賑やかな雰囲気。流行っています。
パンフレットにはお店の歴史が書かれていませんので、サービスのスタッフに根掘り葉掘り聞いたのですが、少しも厭がることなく、メモを持って来てあらためて質問項目を確認して先輩のところへ聞きに行って詳しく報告してくれました。
しばらくするとサービスの責任者なのでしょう市川さんという上品で明るい女性が、わざわざ挨拶に来てくれ、楽しく談笑し、さらに詳しい情報を教えてくれました。
お菓子のルセットについては企業秘密が多いようですが、とてもウェルカムで気持ちよく過ごしたのでした。また行きたいなと思わせるお店です。



●『パルミエ』190円  『サクリスタン(18本入)』600円 (※内税)

●「成城アルプス」
  東京世田谷区成城6-8-1 TEL03-3482-2807  定休日/火曜  営業時間/9:00~20:00

  ※ブログ「パイ日和おまけ」では、こちらのケーキ&焼菓子をご紹介しています。