パティシエールUTAKO(13) 『たかつきブルーベリーのマスカルポーネタルト』『ソルダムのタルト』

大阪府高槻市、JR摂津富田駅の北西5分ほどのところにある「パティシエールUTAKO(ウタコ)」さん。
つねに季節のタルトが魅力を振りまいている、私設果樹園を営んでいるのかと思い込んでしまいそうになるほど、自然の恵みが感じられるお店です。
毎シーズン“タルト狩り”に出掛けなければなりません。しかも出来上がったタルトは一工夫を加えた、洗練の品。嬉しいじゃないですか。ささ、とくとご覧あれ。


●『たかつきブルーベリーのマスカルポーネタルト』  径13cm 高さ4.5cm 320gほど。
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美しい姿、そして濃い青紫と白の対比、ほれぼれ~。
しばし見蕩れてしまいました。

ブルーベリーは淡い味わいが持ち味。フレッシュをそのままたっぷり載っけるだけのお店が多いですが、フレッシュだけだと土台のタルトが強過ぎて、果実の個性が隠れてしまいがち。
が、そこはそれ「UTAKO」さんですから、ね。

特別に仕入れることができている“たかつきベリーファーム”が育てるブルーベリーは、格別に粒が大きく味わいもしっかり。この素材との出会いによってブルーベリーの果実感を楽しめるタルトが完成したのです。
コンフィチュール(プレザーブタイプでシュルシュルと流れ出すほど)にするのに、南仏のタンニンの豊富なシラー種を使った赤ワインをたっぷり入れて濃厚な味わいを作り出しています。

これが素晴らしい美味しさ。ブルーベリーはややワインに隠れがちなのですが、大粒が潰れずに残っているので、本来のブルーベリーの味わいも十分に伝わって来るんだなぁ。
素材の選び方とプレザーブに止めた判断力。やるねー。

画像さらに。土台となるフラン生地にマスカルポーネを加え、マスカルポーネに生クリームを加えたクリームをたっぷり絞ったことも、コンフィチュールの美味しさを際立たせるのに大きな役割を果たしています。淡い印象でいながら、明確な存在感を主張し、ただの土台で終わらない気迫に満ちています。

サクッとしたシュクレの香ばしい香り、フランの卵の濃厚な風味、マスカルポーネの優しいコク。そしてコンフィチュールの濃厚な味わいに、しゅるっとした口当たりの心地よさ。ふぅ~見事な構成。

マスカルポーネの山脈の翳に深い湖が隠されているようなビジュアルも、2つの主役に相応しい美しさ。
戻り猛暑のなか訪れた甲斐があったというものです。天晴れ!




●『ソルダムのタルト』  11.7×5.5cm 高さ1.8cm 60gほど。
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おっ鮮やかなルビー色! 
ソルダムだぁ、すもも系の果物は大好物なのですが、意外と作っておられるところが少ないですね。

こちらは焼きっぱなしのコーナーに置かれている、びっくりの格安シリーズの一つ。

シュクレのバルケットにピスタチオペーストを加えたダマンドの上に、ソルダムのスライス。焼き上がりにアプリコットジャム。

「UTAKO」さんではスッペエー! と叫びたくなるタルトを置いてくれているのも嬉しいところ。
ソルダムはスモモの中でも特別に酸っぱい品種。若いうちに収穫したものを購入して追熟させ、酸味と甘さがベストのバランスになったときに使うのだそうです。毎日様子を見て常温から冷蔵庫に移したりと、手を掛け慈しんだすえに、しっかり焼き込み持ち味を100%味わわせてくれるのです。

まずは、紅い色に心奪われてしまいます。ソソル度高し。
我慢出来ずにカブッといけば、ひゃー! 期待通りの酸っぱさ。甘味もあるので酸味が薄っぺらになりません。
おまけにピスタチオの風味がより奥行きを与えてくれているので、感動的な美味しさ。もちろんいつものシュクレの香ばしさは言うまでもありません。
うんうん美味しいよぉ! いやはや、じつにお見事です。



この日はお菓子教室が終わった後、生徒さんたちが居心地良く居残っているのが和気藹々とした雰囲気で、こちらのお菓子のイメージとピッタリ。中塚雅子シェフの人柄なのでしょうね。卒業したはずのベテランスタッフの山本さんがまたまた楽しそうに働いていたりと、いつも気分良く過ごせます。
「UTAKO」には、ここに集う人を大切に想う気持ち、がある。そういった目に見えないものは不思議としっかりと伝わります。だからいつも心が温かくなって帰途へ着くのです。



●『たかつきブルーベリーのマスカルポーネタルト』1580円(小530円)  『ソルダムのタルト』250円  (※内税)

●「パティシエールUTAKO(ウタコ)」
  大阪府高槻市富田丘町13-18  TEL072-601-6175  定休日/火曜  営業時間/11:00~20:00