パティシエールUTAKOウタコ(12) 『りんごのガレット』『レモンタルト』

大阪府高槻市、JR京都線・摂津富田駅から北西に5、6分のところにある「パティシエールUTAKO」さん。
シェフの中塚雅子(うたこ)さんが一人で作っているお店ですが、じつは主婦パートの強力応援団を抱えています。

ではここで、頼もしいパートさんたちの大活躍の話をしましょう。
つい最近の話では……昨年のX'マスの出来事。イヴが日曜だったために、X'マスケーキの予約がイヴに集中。全体数は例年並みだったそうですが、1日に引き渡す数としては限界を超えた量に。シェフは40数時間働きずくめ。パートさん達の非常召集がかかり、朝昼晩とそれぞれの自由になる時間に寄り集まり、24時間態勢を築き上げました。材料の計量、苺のへた取り、生クリームの泡立てなど、鮮度No.1のX'マスケーキのためにできる範囲のことを手伝ったのです。そう、ずっと前から作りだめし冷凍して大量販売しているお店とは違いますからね。
そういう話をみなさん、じつに楽しそうに話してくれるのです。
シェフの愛される人柄があり、パートさん達が彼女のファンであり、お菓子の大ファンであればこそのエピソード。

どうです、お店の雰囲気、心温まるケーキの味わいが手に取るように分かるでしょう、ねっ。
今回もニンマリと目尻の下がる美味しいお菓子が並んでいましたよ!


●『りんごのガレット』  径6.5~7cm  厚み1.6cmほど。
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毎年1月のお菓子として登場。
以前いただいた時はたしか『ガレットポム』という菓名だったかな。

ブリゼ生地にダマンドピスターシュを塗った上に、カラメルソテー&カルヴァドスでフランベした林檎を載せたもの。
トッピングにピスタチオとアーモンドダイス。

花のように可憐な姿。3口ほどで食べ終わる小さなガレットですが、印象は鮮烈。
少し強めのザクッとした食感のブリゼに、酸味とほろ苦さが気を惹く林檎。
これが薄いスライスなのに、焼かれて凝縮した味わい。ジューシーさも持ち合わせていて、林檎感満喫!


画像ダマンドピスターシュは抜かりなくコクを与えているし、おっどこからか杏仁香がふわっと香ります。いいなぁ。

ふぅむ、いつもながら、一口ごとに頷いてしまいますねぇ。お見事です。






●『お父さんのレモンタルト』  径8.5cm 厚み1.8cmほど。
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檸檬のタルトって、その爽やかさから初夏をイメージしがちだけど、国産の檸檬の旬は冬。柑橘類はいま食べなきゃね。

メインの檸檬。鹿児島在住のシェフのお父さんが庭で育てているレモンを使っているので、旬は2月3月。もちろん無農薬。今年は豊作で300玉。少しだけ早めの登場と相成りました。

この大事に育てられた檸檬を主役にしたレモンタルト、じつに個性的で素晴らしいのです。

大人気商品で、この季節を待ちきれずに年中リクエストがあるとか。
清新な香気・強烈な酸っぱさが癖になるんだよなぁ。いや、それだけじゃなくて、そのとろりとした濃度がじつに心地いい舌触りなのです。

そして、それを支えるシュクレが上出来、サックリ感もいいし、アーモンドプードルが入っていて芳ばしいし。
トッピングの乾燥メレンゲ&ヌガティーヌも、酸味の箸休め的な必須アイテム。ただの“飾りじゃないのよ、メレンゲ&ヌガーは、あっはーん♪” 思わず口ずさんでしまうほどの小気味いいアクセント。うーん隙がないな。

この尖った味わいを安定して出しつづけられるというのも凄いことです。ファンの期待を裏切りませんね。やるなぁシェフ。



これだけ精度の高いお菓子を作っていて、低価格を維持しているというのも感心させられます。ちびっ子のファンも多いお店ですが、侮るなかれ。これほど基本に忠実な本格フランス菓子店は稀少といえるレベル。
嗚呼、ご近所の方が心底羨ましいっ!



●『りんごのガレット』180円  『レモンタルト』420円  (※内税)

●「パティシエールUTAKO」
  大阪府高槻市富田丘町13-18  TEL072-601-6175  定休日/火曜  営業時間/11:00~20:00

  ※ブログ「パイ日和おまけ」では、こちらの焼菓子をご紹介しています。