新店! マカロン デ オキヨ(1) 『パイクッキー』『いちじくのタルト』『マカロン2種』『プリン』

兵庫県西宮市、阪急甲陽線・苦楽園口駅から北西方向に3分、郵便局の前を通り過ぎ次の角を左へ曲がる道に「マカロン デ オキヨ macaron de O-KI-YO 」さんがあります。2017年2月のオープン。幼稚園児2人を抱えたママ若林清子さんが独学で始めたマカロンのお店です。
私たちは、「マカロンで起きよ」という“おめざ”の意味かと思っていましたと言ったら、あははっ~とウケてくれました。へへっ。
玄関先に小さな冷蔵ケースがあるだけの、所謂“軒先販売”スタイル。チャイムを鳴らすと若林さんが出て来てくれます。そのやり方に興味津々だったのですが、なにせ営業日が金曜のたった1日(翌土曜の午前中も営業のことも)なので、こちらのスケジュールとなかなか合わず、手書きのお菓子紹介の黒板を横目で眺めつつ通る日々。
地元だというのに、ご紹介が今頃になってしまいました。


●『パイクッキー』(3個入り)  径4.2cm 厚み1.2cm 10gほど。
画像
このお菓子、お清さんのオリジナルだそう。
パイ生地の上にポルボロンのようなさっくりとした軽やかな食感の生地を塗り付けて、くるくると巻き込んで小口に切って焼いています。仕上げにグラニュー糖。

ふーむ、いいですね。なにより軽やかで、サクサクとした食感が印象的です。
パイ好きとしてはもう少し存在感が強くても良いと思うけれど、パイ生地は軽快な食感の輪郭線をなぞるようにサクサクと響いてくれています。
3個入りですが、小さくてポイポイと食べてしまうので、2、3袋まとめて欲しくなるなぁ。




●『いちじくのタルト』  辺8cm 高さ3cm 80gほど。
画像
おっ、大好きな無花果だ。

が、タルトを作る場合、どうやって使うかが美味しさの分かれ目になる意外と難しい果物。
ふむふむ、こちらは、青っぽい無花果をコンポートにしています。

バターリッチでアーモンドプードル入りのパートシュクレは空焼きして、サクサクとした食感の良さを守っています。
ダマンドを詰め、コンポートした無花果のスライスを並べてクルミを散らして焼き、仕上がりにカラメルソースを流し、ラム酒をアンビベ。

無花果に仕事をしてくれているため、しっかりした味わいのタルトに仕上がっています。
とはいってもこちらは優しい甘さがベースなので、温和な世界の中でのコクのある味わい。
苦みや酸味は大人しいレベルに抑えることで、甘味を控えてバランスを取っています。感覚が鋭敏で、突出した部分なく、過不足のない満足感を作り出しています。

無花果のネッチリ感が大きな特長であり、味わいの濃厚さが充足感の元になっているのですが、クルミのシャクシャクというリズム感とナッツの油脂感を加えることで、重く感じさせないアイデアが秀逸。
カラメルソースの軽やかな苦みも立体感を与えていていいですね。




●『マカロン2種/レモン・紅茶』  径4cm 高さ1.8cm 20gほど。
画像
お清さんこだわりのマカロン。
店名からも分かるように、マカロンに一番力が入っています。

フランス風のネッチリ感の残る物は好みではなく、サックリと軽やかで甘味もやや控えめなものにしたいということで、いろいろ名人のレシピを参考に試行錯誤を重ねているご様子。

元々はスイスメレンゲを使用していたそうですが、夏場に結露でメレンゲの日持ちが悪くなり、イタメレに変えることで乗り切ったそうです。
マカロナージュ(立てた泡をあえて潰して表面の仕上がりを滑らかにする手法)をしっかりツルツルを目指し、空洞が出来ないような気配りも加えながら慎重に焼いています。

玄関先の小さな冷蔵ケースでのご商売だというのに1日に50個は焼くと云うから大したものです。夕方6時頃に立ち寄ったのですが、残り3個という人気ぶり。
種類も多く、ご紹介するレモン、紅茶以外にも試食させてくれた苺ミルク、さらにブルーベリー、林檎など、7、8種類ほど。しかも、ガルニはすべてそれぞれのために開発していると云いますから、頭が下がる熱意。想いの強さが伝わってきます。

カシャ、サックリと歯切れのいい食感の直後から、少し多めの割合で入っているクリームの口溶けが始まっています。あぁ、なんて滑らかなのでしょう。ふぅ、気持ちいいなぁ。それに、甘ったるくないし。
私たちはマカロン党ではないのですが……、これは好きかもしれない。



●『プリン』  器内径6.2cm 深さ4cm 85gほど。

プッチンプリンの容器に入ったプリン。
子供は喜ぶでしょうね。いやいや、じつは私たちも思わずニンマリ。写真の出来が悪くて、お見せできないのが残念。

パティスリーのプリン大好きなのですが、いつもカップのままスプーンで掬っていて、なんとなくプリン本来の食べ方ではないのではないか、というか、子供の頃は皿にカパッと出していたじゃないか、などと時折思うことがあります。

さて。135度、140度という温度設定といいますから、ごく中庸温度の湯煎焼き。生クリームも少し入っていて、昔風のしっかりしたプリンとなめらかプリンの中間派。
“す”を入れずに焼くために、オーブンの火当たりの一番マイルドな所を探し、そのベストポジションで時々移動させたり、手間暇掛けて少量ずつ焼いているそうです。

おかげでとてもなめらかで卵黄の味わいも楽しめる仕上がり。ヴァニラもほのかに品良く香り、お清さんの優しい世界観が伝わってきます。
毎日のように前を通っているので、ふーむ危険だな。優しい味わいでいて満足感の高い物って、つい欲しくなるんですよね。



マカロンのお店ですが、オーダーケーキも可能(もちろんオーダーマカロンも)ですし、焼菓子、プリン、タルト、この時季はモンブランなども並んでいます。
卵白ばかり使って、余った黄身はどうするの? アーモンドプードルの鮮度を守るためには週一営業では追いつかないし、といったご事情があるでしょうね。余力と材料の効率、そしてなによりお清さんのお菓子への熱意と向学心からいろいろなレシピにチャレンジする結果が週ごとのレパートリーとなっているようです。
それがけっしておざなりな物ではなく、完成度が高いことにちょっとびっくり。これだけチャレンジ精神に溢れていたら、彼女が望むような営業日の拡大や店舗を開く所まで発展するのも夢ではなさそうです。
応対も明るく、会話も弾み、好感が持てました。ファンは着実に増えていくでしょうね。



●『パイクッキー(3個入)』150円  『いちじくのタルト』300円  『マカロン2種』@130円  『プリン』140円  (※内税)

●「マカロン デ オキヨ macaron de O-KI-YO 」
  兵庫県西宮市石刎町  TEL非公開  営業日/金曜(翌土曜の午前中も営業のことも)  営業時間/9:30~19:00