ブーランジュリー&パティスリー ラ・フルネ(1)『ショーソンポム』『ガレット』『クロワッサン』…

大阪市西区、地下鉄・肥後橋駅から西へ5分ほどのところにあるのが「ブーランジュリー・パティスリー ラ・フルネ (La Fournee)」さん。2014年10月オープン、当ブログ初登場です。

パン屋さんがお菓子をたくさん作っていると聞いていたのですが、いやいや、パン屋さんであると同時に、本格派のお菓子屋さんでもあるのです。経歴をお聞きしても、じつはパティシエの修業期間のほうが長いのです。
大阪・吹田の老舗「メランジュ」さんで7年といいますから、腰を据えたしっかりした修業をしたと云えるでしょうね。その後、谷六の「ブーランジェリー グゥ」さんでパンを修得。

シェフの春日崇宏さんは1984年生まれ。オープンは昨秋ですから1年余り経過したところ。アルバイトのちょっとした手伝いはあるようですが、ほとんどすべてを一人で作り上げているようです。
にもかかわらず、驚かされる品揃え。じつに、多彩です。
ハード系のパンや食パンをはじめ、サンドイッチ、焼きっぱなし&お菓子(ドゥミセック、セック)&シュークリーム、プリンなど20数種ほど。そして、この時季ならではのシュトーレンもあって喜んでいると、自家製ジャムは8種も。ギフト提案の箱も数種並んでいました。
パティスリー専業で、焼菓子の種類やギフト提案で負けているところがいくらでもありますよ。それに、お菓子の精度の高さも目を見張るものがあったのでした。
凄いお店を見つけた歓び(遅かりしという気もしますが)を、では!


●『ショーソンポム』   11.8×8.2cm 高さ4cm 90gほど。
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おぉ、迫力満点の姿、そして焼き色、いいですねぇ。

ドリュールが色濃く焼けていて、トラブリを使っているのかと思ったら、黄身だけだとのこと。
それだけで焼き込みの思い切りの良さに、ホホオーッと感心したものです。

でも驚くのはまだ早かったのです。
一口パクリと行った瞬間 ……、わぉ美味しいっ! 

しかも、あえなくサラサラ~と崩れてしまう生地の繊細さ。目が丸くなってしまいました。
ほんとうに、サラサラ~サラサラ~サラサラ~~! 

これほどの繊細さはちょっとやそっとではお目にかかれません。
アンヴェルセの食感ですが、薄力粉で同じ食感を狙ったさっぱり感もありますねぇ。ふうむ、どっちだろう。

画像中には白ワインで煮たリンゴのコンポート、大きな櫛形のものがゴロンと一つ。ダマンドを敷いています。

このコンポートのトロッとした食感、白ワインの風味もよく利いていて、満足感が高いですね。
普通のジャムレベルだったら生地のあまりにも高いレベルに位負けしていたところでしょうが、十分に対抗できています。
ダマンドも量は多くないのですが、味わいを豊かにしてくれています。

素晴らしい。ちょっと圧倒されてしまいました。
ふうむ、ため息をつくのはもう2度目ですね。じつに、お見事です!




●『りんごとカマンベールのガレット』   径9.5cm 厚み2cm 70gほど。
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イヨッ! 待ってました。

この組み合わせ、定番のはずなのですが、意外なことにパティスリーで未食。よくぞ作ってくれました。

こちらのパイ生地は2番生地でしょうか。ざっくりとした強めの食感。

薄く延ばした生地にフランジパーヌを塗り、薄切りのリンゴをきれいに並べ、シナモンとベルジョワーズを振りかけ、アーモンドスライスに、カマンベール。
リンゴのタルトフィンの変形版といったところ。

見掛けからするとチーズばかりが主張しそうに思ったのですが、薄切りのリンゴがちゃんと存在感があるのです。チーズに遜色のない味わい。絶妙のバランス感覚。

アップルパイがチーズによってくどくなるのではなく、チーズがリンゴによってマイルドに味わえるという方向性が活かされているのです。
シナモンやベルジョワーズ、フランジパーヌで、ほどよい満足感。

いゃあいいですねえ。これまた、お見事。




●『柿のプラリネタルト』   辺7.5cm 高さ3.5cmほど。
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優しい味わいの、日本の果実を使ったタルトは危険です。

春日シェフご本人も、梨や柿は難しいと言っています。
なのに何故? 
柿には手を加えていないそうです。

シュクレにアーモンドとヘーゼルのプラリネミルクチョコを流し込み、ダマンドをたっぷり。
薄切りの柿を並べ、フランボワーズをチラリ。アプリコットのナパージュを厚めに。

これだけ個性の強いものの中に何もしていない柿を持ってきたら負けるでしょう、と思ったのが素人の浅はかさ。たはっ。

全体で一つの味わい。ちょっとした不可思議さを抱えながら、ナッツ感とチョコ、フランボワーズとアプリコットの酸味が一体となり、柿が優しさを添えながらちゃんと存在を主張してくれているではないですか。

ちょっとシベリアを思わせるような懐かしさもあって、気に入りました、これ。




●『クロワッサン』   12.5×7.3cm 高さ5.3cm 40gほど。
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美味しそうな焼き色ですね。

口元に持って来るだけで、醗酵バターの香り、焼き込んだ粉の香りが心地よくふんわりと漂ってきます。

食べたのはおそらく焼き上がりから半日ほど経っていたのでは、と思う夜だったのです。
が、それでも、クラストはかなりの部分ハードな食感を残していました。端っこは、カリカリ。

焼き戻せばもっと目覚ましいレベルだっただろうなと思われます。


画像クラムはバターの黄色い色がしっかり着いていて、芳醇な味わい。
強い弾力があり、モチモチとした食感。
バターの甘さだけでなく、塩気もそこそこ感じられ、印象強いですね。

これまた、いいですねぇ。







なんと、お菓子が20種ほど。たった3つしかいただいておりませんが、どれも個性豊かで美味しい。ほかのものも推して知るべし、でしょう。
出身店のお菓子はとくに参考にしていないという、春日シェフですが(ずっと以前に食べた記憶しかありませんが、たしかに印象は違いますね)、オープンした時点で独立した自己を確立していたということでしょう。頼もしいですね。
パティスリーとして独立しても、素晴らしいお店になったのではないでしょうか。
でも、パンも素晴らしいのですよ。いやはや。書き手がクボタに代わって「パイ日和おまけ」でパンをご紹介します。乞うご期待!



●『ショーソンポム』340円  『りんごとカマンベールのガレット』280円  『柿のプラリネタルト』350円  『クロワッサン』200円   (※外税)

●「ブーランジュリー・パティスリー ラ・フルネ」
  大阪市西区土佐堀1-4-2  TEL06-6147-5267  定休日/月曜・他不定休  営業時間/10:00~20:00

  ※ブログ「パイ日和おまけ」では、こちらのパンをご紹介しています。