シャルルフレーデル(10) 『タルトマロン』(ホール)

大阪府泉佐野市、JR日根野駅から10分ほどのところに、全国的な知名度を誇る「パティスリー シャルル フレーデル」さんがあります。
6年ほど前に初めて訪問した頃は、辺鄙な場所にある、知る人ぞ知る店だったのですが、ここのところメキメキ実力が認められ、今年のガレットデロワのコンテストでは審査員を務めるまでに。
当然のこととはいえ、なんだかわがことのように嬉しいですね。


●『タルトマロン』  径15.5cm 高さ3.2cm 400gほど。
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焼きっぱなしはほぼ食べ尽くしたかのように思っていましたが、意外や意外、こんなにポピュラーなアイテムを食べ損なっていました。

例によってハードな食感のパートシュクレ(5.5~6mm)にクレームダマンド、カラメルソースをたっぷり流し掛けて、再びダマンド。
渋皮栗を14個ほど大盤振る舞い、カシスもちりばめられています。
なんでもない飾りのチョコレートや、ほんのチラッとのピスタチオの緑が小粋ですね。

おぉ、なんとも男性的! 
ガリッザクッと豪快な食感とともにシュクレの芳ばしい香りが弾けます。
少し遅れてカラメルの濃厚な味わい、たっぷりの甘さとよく焦がしたほろ苦さ。
ダマンドが柔らかく包み込み、世界を大きく広げてくれる感がありますね。

画像渋皮栗は焼き込まれて、少々硬めですが、その食感によって存在を主張しているところがあります。
栗の味わいは元々ほのかなものですから、強いカラメル風味のアーモンドタルトに負けているところがあるのです。
でも、焼き込むことで焼栗のような風味と食感を得て、土台に対抗できるようになっています。
どうだ! とばかりの強い主張が単調に陥らないのは、時折ぶち当たるカシスの鋭い刺激があるからですね。

画像この思い切りの良さが、ちょっとやそっとで真似できるものではない。門前シェフの長い経験の賜物でしょう。
フランス菓子を認めてくれない地域で10年に及ぶ不遇を乗り越えた意思の強さ、その反映ですね。

本場フランスではタルト類にはたっぷりのナパージュを掛けるのだと聞いたことがありますが、シェフもアプリコットのナパージュをこれでもかと掛けてくれています。
それが全然栗の味を損ねることなく、満足感を高めているのです。

いやはや、あっぱれなダイナミックさ、お見事です。


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1/6ピースで1人前といったところですが、ホールで税込み1580円。ワンピース260円余り。
いつもながら、なんてコストパフォーマンスが高いのでしょう。
気前よすぎです、シェフ!
 



●『タルトマロン』1580円  (※内税)

●「シャルルフレーデル」
  大阪府泉佐野市日根野4356-1  TEL072-461-2919  定休日/不定休  営業時間/10:30~18:00