オーディネール(2) 『ミルフィーユ』

大阪市西区南堀江にある「パティスリー オーディネール」さん。賑やかな若者の街で黙々と仕事に励んでいます。
シェフの長谷川益之さんは40歳を超えての独立だけに、ケーキの味わいに気負いがなく落ち着いた大人の味わいが感じられます。


●『ミルフィーユ』   3.8×9.5cm 高さ5.8cmほど。
画像
わっ、ミルフィーユがある!

待ちに待っていました、こちらのミルフィーユ。
だって、腕は確かだし、どれをいただいても自然と笑顔になる美味しさですからね。

さて。「優しいテイストで誰もが納得する味を目指す」という長谷川シェフ。
ところが、なのです。
この『ミルフィーユ』には、ヴォリュームといい、味わいの密度といい、ガツンと衝撃を受けました。

当日シェフは特注品に取りかかっていて手が離せず、詳しく聞けませんでしたので推測を含めてのご紹介になります。


では、ナイフを入れると、サクッと快音 ……… ふうぅ、なんて美味しいのでしょう。

生地はアンヴェルセですが、よくあるクッキー生地のようなサラサラした食感だけではなく、層が意識された強い食感も加わったサクサクッサラサラ。繊細さのなかに芯の強さがあるといったところ。

特筆すべきは、比較的色白なのに、香りが高いのです。焼き込んだ粉の香りと醗酵バターでしょうね。生地だけでも堪能するレベルの美味しさ。
分厚さ(なんと1.5cm近い)も満足感を高めています。カラメリゼの甘い香りも気持ちを豊かにしてくれていますね。

画像クリームはややぽってりとしたカスタードで少し生クリームも加えています。卵の香りが濃厚で、ヴァニラの香りが品良く漂います。
粘度の高さがたっぷりヴォリュームのある生地に対抗する上で、重要なポイントになっていますね。

サクサクサラサラと解けて行くにしたがって、クリームをまとい、味わいが一体化して行く、その過程も、総合された味わいもすべてが美味しく、つい目尻が下がってしまいます。

けしてキツイ味わいではなく、どちらかというとシェフが目指す温和な味わいですが、すべてを味わい尽くそうという積極性が感じられる力強いミルフィーユです。
王道を行くミルフィーユの中でも際立って美味しい。お見事、大絶賛に値すると思います。ワォ!



上質な材料を使い、精度の高い仕事をしているお店なのに、500円超えの商品をまだ見ていません。個人店さんが心意気で頑張ってくれているのに、原材料の方は4月にまた乳製品などの値上げラッシュが待ち受けているとか。庶民の味方をしてくれる企業はないものですかね。
業界全体が喘いでいるとき、良心的なお店の存在が一際光ります。



●『ミルフィーユ』480円  (※内税)

●「パティスリー オーディネール」
  大阪市西区南堀江2-4-16  TEL06-6541-4747  定休日/木曜  営業時間/11:00~20:00

※ブログ「パイ日和おまけ」では、こちらの生ケーキをご紹介しています。