サ・マーシュ(5) 『りんごのパイ』『クラムフリュイ プルノー』

神戸・北野のブーランジュリー「サ・マーシュ」さん。全国レベルのカリスマ ブーランジェ、西川功晃さんのお店。
出会った人をすべてファンにしてしまう熱い魅力を持った人。みんなとても頼りにしていて、いろいろなイベントへの参加のオファーが引きも切らず、毎週毎週何かのイベント、番組、雑誌の取材が目白押し。そう、彼は断らない人なのです。
もちろん私たちも、仕事を押し付けている一員。「3.14=π(パイ)の日 」キャンペーンにご参加いただいて、もう10年来のお付き合いですが、どれだけ忙しい時にも嫌な顔一つ見せたことがありません。というより、いつも明るく、そしてこちらの身体(この時期へろへろなので)を気にかけてくれる優しさをお持ちなのですよね。
押せ押せのスケジュールの中で、即興的にアイデアをひねり出しているのですが、どうやら自分を追い込んで、プレッシャーの中で考えるのが快感になっている節も。
今回もニコニコ顔で新商品が登場しました。


●『りんごのパイ』   底辺13.5cm  斜辺10cm  厚み3.1cm  80gほど。
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西川シェフが「コム・シノワ」から独立して「サ・マーシュ」を立ち上げたとき、手の掛かる折り込み生地の商品が不在でした。
独立後、2回目のキャンペーンの対象商品の一つとして作られたのが、この『りんごのパイ』。

ショソンオポムとしたくなるところを、もっと親しみやすいものにしたいという気持ちの表れたネーミング。

形も折り畳みスリッパ型ではなく、二等辺三角形。
おかげで、端っこのミミのところは、カリカリッとした食感が生まれています。

画像フィリングは、たしか、プレザーブタイプのリンゴに果汁やヴァニラを加えて炊き直しています。
以前より酸味を感じるのでレモンも加わったかな。

味わいが深いですね。そうそう、三角形の隅まできっちりた~っぷりリンゴが入っているのが、嬉しいな、やっぱり。
その後、定番商品となったのも頷ける安定した美味しさです。

今回、あらためてキャンペーン対象商品としてピックアップされました。




●『クラムフリュイ プルノー』  6.5×6.5cm  厚み4.5cm  90gほど。
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自店の菓子パンやケーキ類のクラムを集めて、セミドライのミックスフルーツをたっぷり。
中央には、丸ごとのプルーンがどーんと鎮座しています。

普通、クラムというと、ビスキュイやジェノワーズなど優しい味わい、ほんわかムードを期待しますよね。せいぜいショコラの生地が加わって少し奥行が出るくらい。

あはっ! ところがですね、このクラムはおそらく『ジャンジャンブルショコラオランジュ』や『パンデピス』などの曲者が紛れ込んでいるに違いありません。
フルーツの香りだけでなく、スパイス類の香りがかなり漂っています。複雑玄妙な味わいと錯綜する香り。

クラムのどっしりした味わいがフルーツ類の濃厚な味わいをしっかり受け止めています。


画像中華のお菓子としてお馴染みの“フルーツ月餅”の西洋版と云えるでしょう。
私たちは陰でこそっと“西川さんとこの月餅”と親しみを込めて呼んでいます。へへっ。

そして、これらの強さに対抗するには、クッキー生地のような大人しさでは足りなくて、やはりパイ生地の目覚ましい食感がなければならないのです。

生地の存在意義の明確なパイですね。お見事。





いつも若々しいシェフですが、いつのまにやら50歳の大台に乗ったとか。
それでも、講習会に招かれ、知り合いの車中で観たオオカミバンド、マンウィズアミッションのミュージックビデオに感化され、ロック熱が再点火(学生時代はロックバンドでドラムス担当だったとか)されたといいますから、熱い精神とエネルギーは不滅のようですね。ふうぅ!



●『りんごのパイ』270円  『クラムフリュイ プルノー』250円   (※外税)

●「パンと暮らしの サ・マーシュ」
  神戸市中央区山本通3-1-3  TEL078-763-1111  定休日/火曜・水曜  営業時間/8:00~19:00

※ブログ「パイ日和おまけ」では、こちらの『お菓子パン』や『パンデピス』をご紹介しています。