フランクス(10) 『カスタードパイ』

創業30年を過ぎて、安定を通り越してますます勢いづいてきた感があるのが、東大阪で古くから名を馳せる「フランクス」さん。
近鉄奈良線の河内小阪駅というところは、庶民の町であると同時に菱屋西という落ち着いたお屋敷街も控えるという、面白いロケーション。そのどちらからも愛され続けているのは、それはもう“美味しいから”の一言。素材を吟味し、ごまかしやはったりのない正直な美味しさを貫いてきた賜物と云えるでしょう。
今年で14回目となる「3.14=π(パイ)の日R」キャンペーン対象商品も、その王道路線を継承したものです。


●『カスタードパイ』   9.5×9cm 厚み3.3cmほど。
画像
んん? なんだ、なんだ? 
このはんぺんのような、さぶとんのような、塗り壁のような。

而してその実体は……ふふふっ、四角いふんわりパイなのです。
このシンプルな姿に、可愛いやっちゃなぁとおもわず頬が緩みました。

薄力粉:強力粉=1:1、普通折りの3ツ折り6回。ごく標準的な製法のパイ。
バターは、醗酵バターを使っていて香りが豊か。こちらのパイは以前からこの芳醇な香りが特長です。
表面には粉糖をたっぷり。
フィリングはカスタードクリームにクレームダマンド、そしてバナナのコンフィチュール(スライスもあり)。

画像やや水分多めの具材を詰めて、空気穴をあけずに焼いているので、ふっくらと膨れ、パイも蒸気を受けながら焼かれているので、強さより軽さが強調された生地になっています。




では、パクッと豪快にかぶりつきましょう。
サクッ、ハラハラ~と儚く砕け散る中に、時折、パリッとした強さも感じさせてくれる、素晴らしい食感を実現しています。
画像一口食べた途端に、力強く立ち上がって来るのがバナナの蠱惑的で濃厚な香り。それをカスタードの優しさとクレームダマンドのほのかなコクが包み込んでくれるのです。
ふうぅ、誰をもメロメロにする黄金トリオですね。

シンプルでストレートな美味しさ、というコンセプトを守りながら、生地とクリームで幅と奥行のある味わいに仕立て上げています。
力強さと繊細さを兼ね備えた名品の誕生、と云っていいでしょう。お見事です。



オーナーの東野卓仁さんの監督の下、1983年生まれとまだまだ若い矢野大輔シェフが何回も試作を重ねて、ピンポイントの美味しさをつかみ取ってくれました。
シェフの肩には少し力が入っていたようですが、出来上がったパイからは肩の力が抜けて、食べ手に緊張を強いることもなく食べやすいことこの上なし。第一、とても美味しいんだよなぁ。
あっそうそう、購入時にハンバーガーの紙袋のようなものに入れてくれるそうですので、歩きながらでも気楽に食べられますよ。
これぞ“That's おやつ”。いゃあ、幸せ!



●『カスタードパイ』320円    (※内税)

●「フランクス」
  大阪府東大阪市小阪本町1-1-18  TEL06-6724-6462  定休日/不定休(月2回月曜休)  営業時間/7:30~20:00(日祝~19:00)