ムーラタルト(12)『苺のミルフィーユ』

大阪、日本一長い商店街として有名な天神橋筋商店街にある、「フランス菓子工房 ムーラタルト」さん。この商店街には3つの地下鉄の駅がありますが、一番南の南森町駅から2分ほど。
こちらは「3.14=π(パイ)の日 R」キャンペーンの参加第一号店でもあります。吉野暢人シェフは、辻製菓の初代講師の一人で、「ア・キャトル」で名を馳せた中野博昭さん(現「プティポワン」オーナーシェフ:南草津在)の直弟子。厳しい指導に耐えて、フランス菓子一筋に歩んでいます。
地味な見かけの品揃えの充実ぶりは、大阪でも有数。地味ということは、フルーツなどのトッピング、クリームに頼っていないことの証。生地の良さが最大の魅力です。


●『苺のミルフィーユ』 6×6cm 高さ4.5cmほど。
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以前に一度ご紹介していますが、アンコール。

パイ生地は、正統「辻製菓」スタイル。
薄力粉:強力粉=1:1。3ツ折り6回。折り込むのは明治の醗酵バター。
ごくごく普通ですが、焼き上がりは軽くサクサクッ。香ばしくほろ苦さもあり、しっかり焼き切っています。

間に挟むクリームは、パティシェールとクレームオブール1:1のムースリーヌ。
イチゴは市場の方で見繕ってくれる良さげなもの。酸味と甘みの調和の取れたものとのこと。

クリームは滑らかさだけでなく、パティシェールの旨味とクレームオブールのコク、重量感と軽やかさがピタリと調和。たっぷりのキルシュが華やかに香ります。
パイの力強い個性をラクラクと受け止め、余裕のあるお菓子にしています。

だからこそ、イチゴがプリマドンナとして華やかに振舞えるのですね。

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すべてのパーツの特徴が遺憾なく発揮され、どの組み合わせになっても対比とマリアージュの妙が味わえるのです。
定番の組み合わせだから、当たり前といえば当たり前なのですが、これほどに調和のとれたミルフィーユに出会える機会はめったにあるものではありません。

焼きに安定感のある、吉野シェフらしい、凛とした苺のミルフィーユです。お見事。





今は、70年代生まれの若手シェフにばかり陽が当たっていますが、吉野シェフのお菓子は彼等の活躍をものともせず、年々存在感を増してきています。天晴れ!



●『苺のミルフィーユ)』400円  

●「フランス菓子工房 ムーラタルト」
  大阪市北区天神橋3-1-6  TEL06-6242-7177  定休日/月曜  営業時間/10:00~20:00(日曜日は19:00まで)