パティシエールUTAKO(ウタコ)(6)『ガレット・ポム』

大阪府高槻市、JR京都線・摂津富田駅から西へ4、5分のところにある「パティシエール UTAKO」さん。
3月20日でオープンして丸3年という若いお店ですが、すっかり地元に定着し、シェフの中塚雅子(うたこ)さんと少し立ち話をしている間にも、一人、二人とお客さんがやってきて、お菓子のラインナップを知り尽くしているような買いっぷり。
大量のアイテムではありませんが、季節ごとに入れ替わる商品が多いだけに、全部を知るためには、かなりの頻度でリピートしなければなりません。
学校帰りの小学生もウィンドー越しにピタッと張り付いて、お菓子を眺めては口々に『タルトバナーヌ』『ショコラ』…と、お気に入りを自慢しあっています。
本格フランス菓子をこれほどまでに、日常化させた人はほかにいないのではないでしょうか。素晴らしいですね。


●『ガレット・ポム』 径7.2cm 厚み2.5cmほど。
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UTAKOさんが、“ぜひ食べて欲しい”と、取り置きしてくれていたお菓子。

それが少しもありがた迷惑にならないところが、こちらのお菓子の魅力。
“やったぁ~!”という気分です。

さて、お菓子はごくシンプルなタルトです。
薄く延ばした、花のよう形のブリゼ生地。ひと手間ですが、可憐ですね。
その上に、クレームダマンドピスターシュを塗り、カラメルソテーし、カルヴァドスでフランベしたリンゴ(フジ)を載せて焼いたもの。
アーモンドダイス、ピスタチオ、粉糖。

シンプルと書きましたが、じつは、味わいは重層的。
ブリゼのサクサクッとした軽い歯触りが基調となって、アーモンドの杏仁香、ピスタチオ、カルヴァドスの香りが重なりあっているのです。
また、リンゴが瑞々しくジューシーなのが、ブリゼの乾いた食感と対比されるし、フルーツの魅力が溢れ出るイメージで、とても美味しい。
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リンゴのほのかな酸味に、カラメルのほろ苦さ、ダマンドピスターシュの柔らな甘み。
それぞれが自己主張しつつ調和が取れているところに魅力があります。
う~ん、お見事!





1月のお菓子として毎年作っているのですが、ガレットデロワを作る余裕がなく、その残念な気持ちから、「ガレットの原義である“おせんべい”風の生地を使ってタルトを焼きたかった」とのこと。
執念ですね。実力者だけに、ぜひ折パイを折れるだけの余裕のあるお店に成長してほしいものです。

スタッフに恵まれているから、お店も日に日に成長していくでしょうね。
よくお目に掛かる山本さんはじめ、6名のスタッフ全員が「UTAKO」さんのお菓子の熱心なファン。皆さん、素人のパートタイマー、計量、ラッピング、販売が守備範囲でしょう。
接客の際に、押し付けがましくならずに、“美味しいんですよ”という心情が溢れ出ていて、買う側もなんだか、嬉しくなってしまう。
中塚さんの“好き”という気持ちがスタッフに伝わり、お客さまにも伝わっていく、とても人間的な魅力に溢れたお店だといえるでしょう。この点もお見事。



●『ガレット・ポム』180円

●「パティシエール ウタコ UTAKO」
 大阪府高槻市富田丘13ー18  TEL072-601-6175  定休日/火曜  営業時間/11:00~20:00