●特集8 2011年クリスマス「シュトーレン百花繚乱、伝統派から個性派まで堂々の20撰!」

いよいよクリスマスが近付いてきました。キリスト教の盛んな国ではクリスマス1日を祝うのではなく、降臨節 Advent (ドイツ語:アトヴェント)といって、クリスマス前4週間お祝の行事がつづきます。その間に食べるのが、『シュトーレン』。生まれたばかりのキリストのおくるみ姿を模した菓子パン。聖体拝領の感覚に近いのかもしれませんね。
大きなものを1cm幅くらいの薄さにスライスして、毎日少しずつ食べて行くのです。毎日日付けを潰して行くアドベントカレンダーのようでもありますね。楽しくも厳粛な行事と云えるでしょう。

翻ってわが「日本パイ協会」の行いを見てみると、“七つの大罪”の“大食の罪”を犯してばかり。シュトーレンも25年以上前から毎年食べていますが、最近作るお店が増えた喜びもあって、毎年2本、3本と食べてしまっています。
ここに今までの罪をあがなうべく、過去に当ブログでご紹介した『シュトーレン』の数々をここに告白し、懺悔することとしましょう。嗚呼!
皆様におかれましては、心優しき聴聞僧となられまして、私たちのすべてを受け入れてくださり、大いなる許しをお与えくださらんことをお願い申し上げます。

【2005年】ビゴの店  ポール  (※記事にはしていません。表紙のアルバム「TEA BREAK 1」に掲載)
【2006年】セセシオン
【2007年】ベッカライビオブロート  ラピエールブランシュ  オーベル
【2008年】コムシノワ  グロスオーフェン  ズーセスヴェゲトゥス  ツッカベッカライカヤヌマ
【2009年】ジャック   ビゴの店
【2010年】シュラッテンバッハ   シュターン  オタンプルデゥグゥ
【2011年】大地堂    シャルルフレーデル   レーゲンボーゲン  オンコーアンマタン



【2005年】……………………………………………………………………………………………………………
画像
●「ビゴの店」2.6円/g
オレンジピール、レモンピール、ドレンチェリー、レーズン入り。
パン屋さんらしい、よく発酵させた軽さに特色あり。値段も軽い。素直に美味しいですね。
大中小とあるのもなにかと助かります。小さなサイズもちゃんとおくるみ風。





画像
●「ポール」4.5円/g
ラム酒漬けのオレンジピール、サルタナレーズン入り。香辛料はカルダモン、ナツメグ、ホワイトペッパー。
焼き込みがややオーバー気味。焦げ味が大人好みと言えなくもない、でしょうか。







【2006年】……………………………………………………………………………………………………………

●「セセシオン」3.7円/g
飯田シェフによると“伝統的なレシピそのまま”だそうです。
ラム酒漬けのミックスフルーツ入り、クルミ、アーモンドも。ドイツ流の生地に、ラードを練り込んだもの。くどさにはいたらず、この店らしい品の良さが感じられます。
画像画像











【2007年】……………………………………………………………………………………………………………

●「ベッカライビオブロート」3.8円/g
有機パン屋さんらしく、有機づくし。有機レーズン、有機オレンジピール、有機レモンピール。表面が粉糖ではなくグラニュー糖(粉糖の有機のものが入らなかったから)。
生地は、有機自家製粉全粒粉100%。粉の力があるのでじんわりと美味しく、ピールが爽やかです。
画像
画像












●「ラ ピエール ブランシュ」7.5円/g
イタリア産のフリュイコンフィとレーズン入り。香辛料はシナモン、カルダモン、ナツメグ、ジンジャー、ナツメグ、アニス、ヴァニラ。
いかにも本格フランス菓子らしい、いろいろ入ったリッチさ。しみじみではない、強烈な美味しさ。
画像画像









●「オーベル」2.4円/g
スーパーや輸入食品屋さんなどでも買える、ドイツのメーカーもの。
レーズン、オレンジピール、レモンピール入り。アーモンド、ヘーゼルナッツ、香辛料も。ややしつこい味わいと云えるでしょうか。
画像画像











【2008年】……………………………………………………………………………………………………………

●「コムシノワ」3.8円/g
クランベリー、ホワイトチョコが入っています。
ホワイトデーに作られた変形版で、シュトーレンというネーミングではなく『クランベリーの入ったガトーショコラブラン』。甘い夢心地の世界が味わえます。
画像画像










●「グロスオーフェン」5.3円/g
毎年 年が明けると、来年に向けてフルーツやナッツ類(レーズン、リンゴ、オレンジピール、ドレンチェリー、アーモンド、クルミ)をラム酒に漬けて仕込み。ぬか床のような丹念な世話が必要なのですね。
マジパンのせいか、生地が地味に目立ち、苦味やコクが深い。そういえば、牛脂も入っていたような。リンゴも入っているし、ミンスミートに近いかな。
画像
画像












●「ズーセスヴェゲトゥス」5.2円/g
別々に、漬け込んで(浅め)います。グランマニエとアマレットに漬けたオレンジピール、キルシュヴァッサーに漬けたのはレーズン。クルミは炒ったもの。香辛料はシナモン、コリアンダー、クローヴあたりかな。最高級のはちみつマジパンを棒状にして、どーんと。
画像画像










●「ツッカベッカライ・カヤヌマ」10.5円/g
目の詰まった生地。レーズン、オレンジピール、レモンピール入り。こまかく砕いたナッツ類も。
生地とバターの醗酵の香りが独特。レモンの香りが爽やかで、気品がありますね。生地がトロリと甘く溶けていく印象です。なお、グラム単価は、この中で断トツに高くなります。
画像画像











【2009年】……………………………………………………………………………………………………………

●「ジャック」5.3円/g
8種類ほどあるケークシリーズのひとつ。『ノエル ピスターシュ』という名の、ジャック流シュトーレンです。真夏に販売されていました。
レーズン、オレンジピール、アーモンド、ピスタチオも。スマートなフルーツケーキといった風情。
画像画像










●「ビゴの店」3.9円/g
2度めの登場。2005年に比べて、材料費高騰のため、値上げ。それでもまだまた良心的価格ではないでしょうか。
フルーツやナッツ、それぞれの存在感が強い。やはり、つい買ってしまいます。
画像画像











【2010年】……………………………………………………………………………………………………………

●「シュラッテンバッハ」3.3円/g
ドイツの職業学校で習ったレシピを忠実に従っているとのこと。1日ほどラム酒に漬けた、レーズン、オレンジとレモンピール、ヘーゼル入り。香辛料はシナモンとコリアンダー。
ピール類の爽やかな香り、コリアンダーがほんのり香って、イキイキとした印象を抱きました。
画像画像










●「シュターン」5円/g
ドイツ修業歴14年ほどのシェフですが、とくに、ザクセン地方のものを気に入って作っているのだとか。サルタナレーズン、オレンジ・レモンピール、ヘーゼル入り。ラム酒に2週間ほどの漬け込み。
生地にマジパンがたっぷり練り込まれた、優しく豊かな味わい。カルダモンが気品高く香るのもいいですね。
画像画像










●「オタンプルデュグゥ」3.5円/g
レーズン、イチジク、ミックスフルーツなど、フルーツ6種類以上を1ヵ月ほど漬け込んでいるそうです。香辛料はカルダモン。マジパンローマッセも入っています。
これでもかとばかりに美味しすぎ、敬虔さより貪婪さが目立つ。大甘でダイナマイトな味です。
画像画像











【2011年】……………………………………………………………………………………………………………

●「大地堂」※セット商品とし購入したので単価不明
『クリストシュトーレン』(写真中央)
ラム酒ブランデー漬けしたレーズン、オレンジ・レモンピール。香辛料はクローヴがメイン。
全粒粉を使ったザラついた食感がユニークです。生地もフルーツも渾然一体となった豊潤な香り。
『チョコシュトーレン』(写真右)
チョコ風味の甘さとピーナッツという、意外な組合わせ。発芽小麦全粒粉(ディンケル小麦)と小麦全粒粉使用。
画像画像画像










●「シャルルフレーデル」4.3円/g
これは、2011年ヴァージョンのシュトーレン。イーストや酵母種を増やしてややパンっぽくしてみたとのこと。レーズン、オレンジピールのコアントロー漬け+フルーツミックス。香辛料はかすかに香る。
優しく軽やか。レーズンにしっかり残った水分と、ピールの香りなどフレッシュ感がありますね。
画像
画像












●「レーゲンボーゲン」5円/g
前日に、ラム酒にほんの少し漬けたレーズンがメイン。ほかに、オレンジピール、ドレンチェリー。ほんの少しクルミが入っています。
こちら特有の表面の堅さ、はしっこはクッキーのよう。ラードのコクとヴァニラのやさしい香りが広がります。
画像画像











画像
●「オンコー アン マタン」※g単価不明
ブランデー、キルシュ、ラム酒、ヴァニラで漬けたレーズン、オレンジビール、ドレンチェリー入り。
香辛料はカルダモン、ナツメグ。マジパン棒入り。パン屋さんらしい引きの強い生地。
めずらしいスパイス使いがピタリと決まり、光る。清らかな味わいです。





*   *   *   *   *   *

画像師走になると、来る年も、来る年も食べました。食べに食べました。シュトーレンは、毎年の憶い出を重ねながら愉しんでいます。
誘惑に弱い意思薄弱な私たちに、なにとぞ強い心をお恵みくださいますように。
では、メリークリスマス!




※2012年以降のシュトーレンは、「パイ日和・おまけ」へ。

※ご紹介したシュトーレンの情報は、ブログにアップした時点のものです。g単価は大きく変わっているかもしれません。すでに製造していなかったり、内容が変わっているお店もあります。ご了承くださいませ。

※『シュトーレン』はいつも「パイ日和・おまけ」で毎年紹介しています。もちろん、パイではありませんが、“特集”はすべて「パイ日和」本編に掲載しています。