プルチーノ (8) 『ベリーの焼きタルト』『バナナの焼きタルト』

神戸市灘区、阪急神戸線六甲駅から南東に5分ほどのところにある「プルチーノ」さん。
イタリア菓子専門店ですが、駄菓子感覚の焼菓子が並んでいたり、気安い焼きっぱなしのタルトが何種類も並んでいたり、魅力は多面的。イタリア料理と同じく、複雑さがなく素材の持ち味をストレートに表現し、ワンランクもツーランクも上の味に作り替えるところに凄みがあります。
鷹揚な構えでいながら、本質は外さない。
本日ご紹介する“焼きタルト”シリーズも、まさにその精神を代表するお菓子と云えるでしょう。
さぁ、豪快にリラックスしてガブッと食べよう!


●『ベリーの焼きタルト』 8.5×11×13.5cm 高さ3.5cm 140gほど。
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長方形に作って、直角三角形に切り分けています。
久々にピタゴラスの定理を思い出して計算してみたら実測値と微妙にズレでしまいました。あははっ。
斜辺が5mmほど短いのですが、手作りだし、こちらはいい加減な測定だし、まあそんなものでしょうね。
お間抜けな計算はこれくらいにして、本題に。

パートシュクレにクレームダマンド、その上にベリーが山盛り。
写真で見ると奥行きがなく細く見えますが、数字の通りのがっしりした直角三角形。
手に持つと、ズシリと重いほどの、これでもかというヴォリューム感! いやはや、豪快だぁ。

ブルーベリーにグロゼイユ、フランボワーズ。
これだけのベリーを前にするとついフレッシュで、となるところですが、惜しげもなく焼き込んでいます。
どうでしょう、焼いたことで味わいが凝縮されて、フレッシュにありがちなブルーベリーの水っぽさがありません(誤解のないように言いますが焼いてもみずみずしさはありますよ)。

シュクレもダマンドもかなり甘めなのですが、ベリー類が全~然、負けていません。
タルトに合わせるベリー類って、意外と難しいんですよね。だけど、木下シェフにかかると、お茶の子さいさい。
とくに少し入っているグロゼイユのスキッとした酸味はスポット的ではあるのですが、目が覚めるように刺激的。全体がキリリッと引き締まる感じです。

シンプルだけど忘れられない味。
普段、ベリーのタルトは分かり易すぎるのであまり選ばないのですが、勘は当たっていました。うまいっ! 




●『バナナの焼きタルト』 8×11.5×13.5cm 高さ3cm 140gほど。
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シュクレにダマンド、カラメリゼしたバナナを載せています。
こちらはダマンドにココナッツが入り、焼き上がりにも真っ白のココナッツをチラチラ。

ダマンドがバナナのジュースを吸っていて、ほとんど一体。
カラメリゼしてさらに焼いたことで、バナナの風味は豊満を超えて、爛熟と言いたいほど。
この印象はココナッツの香りも手伝っているのでしょう。

とても甘いタルトですが、甘ったるいというのではなく、甘さに浸ってしまう美味しさ。
シュクレの芳ばしさ、ダマンドのアーモンドの美味しさが支えているからでしょうね。単純に甘くはないのです。バナナにもじつはほのかな酸味がありますからね。
そういった、甘さの周りの脇役たちがいい働きをしているのです。

それとベリーの方もそうなのですが、これだけ水っぽいタルト(ジュがこぼれているほど)なのに、翌日に食べたにもかかわらず、シュクレの底はまだサクサク感を残しているのですからね。よく出来たタルト生地。

どちらも大ー好きです。
はしゃいでしまう魅力あふるる、焼きタルトシリーズ。食いしん坊の強い味方です。



以前、夏前にフルーツトマト、すもも。秋にプルーン、鳴門金時、栗を食べていて、ほぼ制覇したような気になっていたのですが、今回、まだ未食の洋梨、りんご、マンゴーとパイナップルという強力布陣が控えていました。誘惑多すぎ。
絶対に美味しいし、絶対お買得。と当ブログで禁句にしている“絶対”という言葉を使ってしまいました。
それほどにストレートに力強い味わいを生み出し、他とはひと味違えてみせる腕っこき。木下さん、ますます冴えていますねぇ。



●『ベリーの焼きタルト』380円  『バナナの焼きタルト』380円

●「プルチーノ」
 神戸市灘区森後町1-3-19  TEL078-856-0777  定休日/月曜・火曜