オ・ボン・ガトー・ビゴ (9) 『キッシュロレーヌ』

「ビゴの店」の夙川店です。阪急神戸線夙川駅から南へ5、6分のところにあり、芦屋本店より近く、品揃えも充実しているのでよく使っています。
ビゴさんはパン屋さんだからというのは凝り固まった思い込み。お菓子も作れば料理も作るのが、現在の全体像。フランスの基礎的な食文化のすべてを伝えようとしてくれているのです。
だから、ビゴさんにとって親しみのあるものはすべて扱うという心意気。アイスクリームもあればチョコレートもあるし、パートドフリュイのような飴菓子の部類もある。さらに今回ご紹介するキッシュのような惣菜の類いまで。
ねっ、便利でしょ。しかも、価格抑えめで、つねに一定の水準を保ってくれているのですから。


●『キッシュロレーヌ』 辺9.5cm 高さ最大3.3cm 110gほど。
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底までよく焼けたフィユタージュ。
ベーコンとタマネギの入ったアパレイユは、ゴーダチーズをメインにミックスチーズが加わったもの。コクはあるけれど温和です。

もう、この二つの組合わせがピタリと決まっていれば、ほかに多くを求める必要はありません。
なにしろ、キッシュは日常的な惣菜なのですから。卵やベーコンにこだわって、貴重なブランド物を使うなんて、美味しさの追求の道ではあっても、やはりどこか違和感が、と。

ビゴさんのお店ではつねにどの商品もリーズナブルな価格で提供してくれます。
このキッシュも315円という、ベストプライス。安かろう不味かろうには絶対にしない。だけど常識の範囲に抑えるという努力がなされています。
最近オープンのお店はインテリアもお洒落で、キラキラした気を惹く商品が並んでいて目移りするほど。でも、いざ支払いの時にギクリッとするほど、ちゃんと価格に反映されています。とても毎日通えるお店ではありません。まぁ、そういう位置づけのお店なのでしょうが。

その点ビゴさんは、かつては少し高めに感じていましたが、値上げの率が緩いのと、新店が平気で高い値段を付けるので、相対的にずいぶん安く感じるようになってきました。もちろんスーパーよりは高いですけどね。質や味わいが比較になりませんから、それは当然でしょう。
質と価格のバランス。消費者にとって、日常的な食品が特別会計からでなく、家計費の財布から気軽に買えることの嬉しさは測り知れません。

ということで、ビゴさんの『キッシュロレーヌ』は他を圧倒するような特級の材料を使ってあっと驚かす部分はありませんが、しっかりした焼きの技術で美味しいパイに仕上げていること。やや塩気を控えた口当たりの優しさで、毎日食べられる美味しさを追求してくれているのでした。



老舗は当たり前の存在になってしまって、ついニュースバリューがないと勘違いしがちですが、丹念に商品を見つめ、よく味わい、最近流行の新店と比較すると、本当の価値が浮かび上がって来ることがあります。ビゴさんのお店の一つひとつの商品にそういう力が備わっているように思います。



●『キッシュロレーヌ』315円

●「オ・ボン・ガトー・ビゴ」
 兵庫県西宮市松下町9-33  TEL0798-37-3328  定休日/月曜

※ブログ「パイ日和・おまけ」(http://pie-omake.at.webry.info/201102/article_1.html)にも、このお店のお菓子を紹介しています。よかったら、どうぞ。