唐草『おたくさ』

“親戚あり。長崎より菓子もて来たる”
ということで、長崎の親戚が関西に遊びにきたので、お土産をいただきました。大好物のカラスミ、カステラに混じって、パイ菓子があったので、ご紹介しましょう。
やったーっ! 遠くの親戚も、いいものですよねぇ。

さて。この「菓舗 唐草」(1968年創業)さんは、どちらかというと、筒状の細長いバームクーヘンにクリームが詰まった『長崎物語』をよくお土産でいただくので、そちらの方が馴染みがあります。
が、今回は、初めて出会う、パイ菓子を。


●『おたくさ』(18枚入り)  5.5×6cm  厚み0.2cmほど。
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おたくさ?  何処かで聞いたような。
そう、紫陽花です。

栞によると、紫陽花に秘められた物語を綴った、ロマンチックなお菓子のようです。
文政6年(1823年)、長崎・出島に訪れたドイツ人医師シーボルトは、最愛の人、楠本滝(お滝さん)を日本妻として迎えました。ところが、日本地図や植物などの品々を国外へ持ち出そうとしたことが発覚。鎖国時代ですから、彼は国外追放処分。
愛する妻子と離ればなれになった彼は、お気に入りの花であったアジサイの学名に、彼女の名前をつけたのだとか。学名Hydrangea otakusa = ハイドランゲア・オタクサ。云々。

雨が不思議と似合う町、長崎。紫陽花には縁があるようです。


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さてさて。可憐な姿。
これはアジサイの花(正確にはガク)の形。パルミエの変形、といったところでしょうか。
下に、一枚のパイ生地。その上に、同じ形のものをねじってはり合わせ、立体感をだしたものです。
なんでも、一つひとつ、手でひねっておられるのだとか。なかなかお手間要りのことをされているのですね。


軽く、サクッとした食感。しつこくないので、いくつもの花をぱくぱくと食べてしまうでしょう。
うん、これぞエディブルフラワー。
抒情的なお菓子だというのに、はしたないかな、うふふ~。

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いままさに、梅雨の季節。雨が降りしきる中、庭に咲いている紫陽花は美しく鮮やかだけど、どこか哀しげ。
……紫陽花は、何を想って咲いているのでしょうか。




●『おたくさ』(18枚入り) 735円

●「株式会社 唐草」
 長崎市樺島町7-11  TEL0120-154-773  定休日/