ニニキネ『イチジクのパイ』『焼きモンブラン(栗のタルト)』


岡山市西川原に本店を持つ「ニニキネ」さん。
3年前にオープンしたばかりですが、翌年には山陽新聞本社新社屋オープンにともなって1階に入居。同時にセカンドブランド「イワハナ」も隣にオープンさせています。まさに昇竜の勢い。ちなみにニニキネとは、ニニギノミコト(ニニキネノミコト)から来ているそうです。
ホテル・ニューオオタニ大阪から山口大介さんをシェフに招聘しての展開。地域性やファミリー層などを意識せず、やりたいことをやるという潔い姿勢を貫いているように窺えます。素材も上質のものを使っているようで、どのケーキもいい香りです。


●『イチジクのパイ』 3.5×11cm 高さ6cmほど。
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低温でじっくり焼いた淡い色合いのパイ生地、クレームダマンド、生イチジクのスライス。ここまでは定番の組み合わせ。
イチジクの下に、おっとフランボワーズのクリームがたっぷり。カスタードではないのですね、珍しい。

イチジクの瑞々しい美味しさを活かしつつ、パイの満足感を追求して、ダマンド(フランジパーヌ?)の豊かな甘みとフランボワーズのほのかな酸味をプラス。
イチジクのシュルッと溶けていくような瑞々しさが印象に残ります。
が、フランボワーズが対等に張り合っているので、イチジクがすこし負けているかな、少し残念。何しろ、イチジク好きなもので。

だけど、パイ生地はよく焼けているし、ほかの濃厚系の果物(またはカラメリゼしたりして濃い味にしたもの)だったら、大好きだったかも…と期待せずにはおれない腕前。それに、フランボワーズを持ってきたところが、ありきたりな組み合わせで満足しない、意欲的な意志を感じました。




●『焼きモンブラン』 径5cm 高さ3.7cm 50gほど。
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こちらは隣の「イワハナ」でテイクアウト販売。別名“栗のタルト”と称して売られています。

クレームダマンドで栗の甘煮を包んで、さらにパートフィロ(春巻きの皮?)で包んで、じっくり焼き上げています。
この皮が素晴らしいアイデアです。南仏のパスティスのような仕上がり。
パリパリ、ザクザクと痛快な歯応え。オーブントースターで2~3分温め直すとしっかり食感が蘇りました。音が鳴ります。


画像ダマンドも栗も甘さ控えめで、量販体制を取っているにしては、節度のある味。加えて皮の焦げた(苦味を出さず、ギリギリまで焼き込んだ) 風味がとても刺激的で、冒険心を感じさせるほど。
いくらいいお店でもお土産品だからなぁ、インターネットのお取り寄せで大人気とチラシに書いてあるし…と高を括っていたのですが、どうしてどうして個性的な小品。




評価が定まる前の拡大路線、企業の力を感じさせる展開の仕方だけに、味の内容に一抹の不安を感じての訪問だったのです。が、いい方に裏切ってくれました。
ケーキは、どこかほんのすこし“ひねり”が加味されているような気がしました。ストレートさや王道を狙うのではなく、一歩、余所とは違う何かを感じるのです。
もはや、地方都市だから、という見方は古い考えなのですね。全国の小京都、城下町に和菓子の名店があるように、これからは全国どこへ行っても洋菓子の名店と出会える機会が増えていくのでしょう。嬉しいことですね。



●『イチジクのパイ』473円  『焼きモンブラン』300円(1個)

●「ラトゥリエ ドュ ニニキネ(瓊々杵)山陽新聞社店」
 岡山市柳町2-1-1 山陽新聞本社ビル1階  TEL086-803-8203  定休日/不定

※ブログ「パイ日和・おまけ」(http://pie-omake.at.webry.info/)にも、このお店のパイ以外のケーキを紹介しています。よかったら、どうぞ。