ケン・ニシオ『ムラング グロゼイユ』『白桃のタルト』『フォンテーヌ』


名古屋市名東区、地下鉄東山線の終点、藤ケ丘駅から西へ5分ほどのところにある「パティスリー ケン・ニシオ」さん。いま名古屋で勢いのある「シェ・シバタ」出身の西尾健一シェフが運営を任されています。33歳だそうです。
近年開発された住宅街。ファミリー層主体のロケーションだと思われますが、品揃えは本格的なものも多く見受けれます。意欲的な品揃えのなかから3つ選んで食べてみました。


●『ムラング グロゼイユ』径5.5cm 高さ7cmほど。
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この名前のお菓子は、94年に「イデミ・スギノ」(当時は神戸)さんで初めて食べました。その時の感激はいまでも覚えています。
西尾シェフも「イデミ」の『ムラング グロゼイユ』は味わったことがあるようでした。

シェフはご出身の「シェシバタ」の『ムラングカシス』をお手本に、自分の好みでカシスをグロゼイユに置き換えたそうです。

パイ生地、たっぷりフランジパーヌ、少しカスタード、そしてふわふわねっとりのムランググロゼイユがたっぷりと。
パイはよく焼けていて、パリッとした強い生地。フランジパーヌもムラングも甘めで、グロゼイユの酸味に勝っているようです。その分少しくどく感じますが、よくできたお菓子です。
やはり、この淡いピンク、可愛いですね。





●『白桃のタルト』(写真手前) 5×10cm 高さ5.5cmほど。
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バルケット型のパイ生地、フランジパーヌ、カスタード、生の白桃のスライス、飾りにピスタチオがチラチラ。

このパイもよく焼けて、一層一層、強い存在感を示しています。フランジパーヌもカスタードも同じもののようです。
よくありがちなパイ生地だけが突出しているわけではなく、全体のバランスがよく取れていています。みずみずしい白桃の魅力を素直に味わえるパイに仕上がっています。



●『フォンテーヌ』(写真奥) 3.5×9cm 高さ4.5cmほど(これはパイではありませんが、一皿に盛られてきたので、ここで合わせて紹介することにしました)。

ヘーゼルナッツとアールグレイの組合わせを味わう、やや先鋭路線のケーキ。
下からヘーゼルのダックワーズ、アールグレイ風味のミルクチョコ、ダックワーズ、ミルクチョコ。トップの飾りはミルクチョコとヘーゼルのダイスという構成。

ギリギリのフルフル加減を狙ったゆるいムース。おかげで店内で食べても、溶けかけ。もう少し冷やして固めてあって良かったかも。
味は、ヘーゼルもよく香っているけれど、主役はアールグレイのケーキ。ミルクチョコとよくマッチして印象的。口のなかでいつまでも余韻の残る香りです。ダックワーズのサックリ感とミルクチョコの溶ける感じの組合わせもいい。ヘーゼルとアールグレイの組合わせもピタリ。
でも、最後は圧倒的にアールグレイという強さ。アールグレイの香りを存分に主張させているところが思いきりの良さを感じます。



先鋭な品揃えが目立ちますが、食べてみると、少し甘みに傾いた親しみやすいファミリー向けのアレンジがあるようにも感じました。2004年にオープンということですから、まだまだこれから、いろいろ試行錯誤して西尾シェフの味というものが極められて行くのだと思います。
夏場だからパイは少なかったのですが、シェフはもともとパイもお好きだそうで、『焼菓子はしっかり焼き込むというのが身にしみついている』という頼もしい言葉も。秋冬のラインナップに期待が持てそうですね。



●『ムラング グロゼイユ』420円  『白桃のタルト』390円  『フォンテーヌ』390円

●「パティスリー ケン・ニシオ」
 名古屋市名東区明が丘91 ハイツフジモリ1F  TEL052-771-0071 定休日/火曜・第3水曜