ホルトハウス房子の店 ハウス オブ フレーバーズ (1) 『アップルパイ』

鎌倉にある、ホルトハウス房子さんのお店「ハウス オブ フレーバーズ」。とくれば、あの高価な『チーズケーキ』。ですが、今回は違います。
深まる秋とともに、登場するパイ、そう『アップルパイ』です。
最近は、めぼしいお店はほとんどフランス菓子が主流ということもあり、『ショソン』ばかり。アメリカ・イギリスタイプのアップルパイはなかなかお目にかかれません。あったとしても、古くからファミリー向けに作っているところが多く“安くて懐かしい”という部分は満足できるものの、ちょっと物足りなく感じることも…。
ということで、いろいろ探してみたら、こちらの『アップルパイ』はまだいただいていなかったので、インターネットで取り寄せてみました。

とはいえ、径15cmで、お値段4200円! う~ん、これもまた、た…、高いですね、やはり庶民には。おいそれとは買えやしません。
でも、写真を見るとおいしそうな素朴な顔しているし、なにしろ秋季限定だし。でもでも、関西だから送料入れると5千円は軽く超えるし。ふむ、5千円あったら、ずっと我慢してきたジョギングシューズも買い換えられるしなぁ、いや「日本パイ協会」としてはパイ代をけちってはいけないぞ…と金欠病を長年患っている私は、購入まで、壮大かつちっぽけな葛藤があったのでした、はぁ~。
いざ覚悟を決めて注文はしたものの、今度はいつ届くのか、連絡がないまま。不安になりこちらから日時を聞いたら、発送予定日のメールがあったのですが、それを見たのが発送前日。変更は無理だろうと思い、そのまま相手の流れで届いた次第です。その日が出張でなくてよかったね、と家人と胸を撫で下ろしたのでした。
前置きが長くなってしまいました。では、やっとこさ、愛しい『アップルパイ』の登場です。


●『アップルパイ』(秋季限定) 径15cm 高さ6cm 430gほど。
画像パイ生地と紅玉リンゴのみ、ただそれだけ。スポンジやカスタード、レーズンなどもなく、シンプルな構成のアップルパイです。

紅玉はとろとろ柔らかな口当たり、十分酸味も甘みもあり、バターのコクもあります。
ときおり、“蜜”のようなうっとりする甘さを感じるのですが、原材料名にはないようですので、リンゴ自体の力なのでしょう。リンゴの旨味を十二分に抽き出しているのがわかります。
シナモンも入っているようですが、ほのかに香ってくる程度で、品のいい使い方。
トップの飾りのパイ生地は黒く焦げていますが、そのところはサクッと感もひときわ強く、いいリズムを刻みます。たっぷりのリンゴにも関わらず、パイ生地は底辺部分(底辺の内部は生焼けのお店が多いのです)まで、キチッと焼き上がっているのはさすがです。
一口頬張るごとに、心と身体にそっと響いてくるような優しい美味しさです。
半分、手づかみで食べましたが、手を拭いた紙ナプキンがいい匂い。いつもながら、いい素材を使っています。



画像誤解をおそれずに一言で云えば……、何の変哲もないアップルパイ。
でも、なかなかこの当たり前のアップルパイに出会えないのが現状です。
とくにこれといった妙技などではなく、素材に真摯に向きあって、基本的なことをきちっとこなし、丁寧でゆるぎのない味を作り上げています。
家庭の味、ホームメイドの良さというものがこのアップルパイには詰め込まれているような気がします。
だからでしょうか、食後はしみじみとした幸せ感にほんのりと包まれます。


そうそう、「おいしいお召し上がり方」という紙が入っていて、それによると「5~10分ほどオーブンで温めて、生クリームやアイスクリームを添えて」ということでしたので、半分はそうやっていただきました。
ほかほかパイに冷たいヴァニラアイス、王道ですがやはり、ベストマッチ! 朝食のデザートに半分個していただいたので、あっという間になくなってしまいました。
「余は満足じゃ」と家人の弁。いつもは慌ただしい朝の時間、本日は贅沢な気分をたっぷり味わいました。



●『アップルパイ』4200円  ※お取り寄せの場合/+送料(近畿圏)950円=5150円

●「ホルトハウス房子の店 ハウス オブ フレーバーズ」
 神奈川県鎌倉市鎌倉山3-2-10  TEL0467-31-2636  定休日/水曜