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zoom RSS 2016年12月オープンの新店! ポニーポニーハングリー(1)『キッシュ』『アップル&ルバーブパイ…

<<   作成日時 : 2017/05/24 21:47   >>

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またまた新店の登場です。2016年12月3日のオープン。
大阪市西区江戸堀、このところケーキ屋さんの激戦区になっている地域に、東京からの帰り新参でこの辺りの事情も分からないままうっかりオープン(本人談)した「ポニーポニーハングリー」(PONY PONY HUNGRY)さん。焼菓子専門店です。
私たちの知り合いで“食のカメラマン”氏の娘さんがシェフ。だから浮田彩子シェフ(1983年生まれ)と呼びにくく、つい彩子ちゃんと呼んでしまいます。

短大の製菓学科に進学。在学時代から、百貨店展開している「ケントハウス」でアルバイトを開始し、卒業と同時に就職。それから1年ほどで、当時、大阪でNo.1と目されていた「ブロードハースト」へ。ここではじっと辛抱して5年ほど。
「オーボンヴュータン」のようなクラシックなフランス菓子に憧れていたのですが、男性しか入れないということで、近い品揃えをしていた「ブロンディール」(当時埼玉在、現在練馬へ移転)まで出掛けて直談判。功を奏して就職。ここは1年で満足したようで、その後、東京の製菓学校講師を1年。
そして、現在ブームのただ中にいる「自由ヶ丘ベイクショップ」(私たちも行きましたよ)の立ち上げメンバー、ペストリーシェフとしてお店を引っ張って行く役割を担いました。ここでの7年間、アメリカンスタイルのお菓子との出会いが大きかったようです。気張らない日常に寄り添うお菓子作りに目覚めたのですね。

ウッディーなガラスケースに、ひとつひとつ丁寧に作られた20種ほどの焼菓子・焼きっぱなしが美味しそうな表情でセンス良く並べられています。
ビターブラウニー、バナナブレッド、スモア、スパイシーチャイマフィン、チョコバナナマフィン、ビスケット、スコーン、クッキー(オートミールレーズン、オレオサンド、チョコチップ)などなど。どれも個包装なし。注文すると、手際よく紙で包んでくれたり、紙袋に入れてくれたり。へぇなんかカジュアルな感じでいいですね。
このような品揃え、販売方法、関西ではやはり珍しいのではないでしょうか。

ユニークな店名ですが、とくに明確な意図はなく、なんとなく決めたものだそうです。お腹を空かせたポニーたちが自然に集まって来る場所になりそうですね。


●『キッシュ』  7.3×7.5cm 高さ3.3cmほど。
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日常の惣菜としてとても食べやすいキッシュです。

浮田さんによると“フィユタージュラピッドに近い作り方だけどフィユタージュではないオリジナルのキッシュ生地“を空焼きして、人参と新タマネギをソテーしクミンで香り付け。
アパレイユは卵、牛乳、生クリーム、ナツメグ、黒胡椒、ナチュラルチーズ。

フレンチのビストロのようにワインを前提にせず、“お菓子屋のセイボリー”として優しい味わいを目指しているとのこと。冒頭に言った通りの狙いだったのですね。

生地がサクサクッと軽快で、アパレイユのほんわかとしたコクと野菜の甘味が引き立て合ってまとまりのいい味わい。
さっそくカフェで食べたので、ほんのり温めてくれて、紅茶とも素直に合いました。

なお、キッシュは週替わりで、食材もチーズ(ブルーやラクレット、カマンベールなど)もその時々で変わるようですよ。



●『アップル&ルバーブカスタードパイ』  辺11.5cm 高さ3.3cm簿。
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パートブリゼを空焼きして、バターと砂糖で軽くソテーしたリンゴとアクセント程度に配したルバーブを詰め、カスタードを流し、トップにクランブルを振って焼き上げています。

甘酸っぱく力強いアップルパイというより、カスタードの優しさをベースにしたパイ。
そこへ甘さが中心でほんのりとした酸味があるリンゴが仲良く手をつないでいます。

ルバーブは量が少なく、ほとんどリンゴに同化しているような印象。なるほど、このような使い方もあるのですね。
トロトロのフィリングにサックサクのブリゼの取り合わせがいいですね。

これも少し温めて供してくれました。あっ、ヴァニラアイスクリームのっけてもよさそうですね。




●『チューイーピーカンバー』  11×3.5cm 厚み2.7cm 80gほど。
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ピーカンナッツパイの変形版。バーになっているので食べやすい。

底生地はクラストとのことですが、サックリとした食感と優しい甘さはシュクレ風の仕上がりだったし、ピーカンパイの変形ということで、当ブログで紹介。

真ん中のチューイー。お気づきの人も多いでしょうね。チューインガムの“chew”。
糖蜜と砂糖、バターを熱してトロトロ、ネチネチにしたもの。
トップはピーカンナッツとクルミの飴掛け。

手にもってがぶっと豪快に齧れば…… わぉ美味しいッ! 美味しいよぉ。
どのパーツもよく出来ていて文句なし。

チューイーの部分は、人によってはコーンシロップを使う人もいますが、糖密にしたことでコクが深くなり、甘さは逆に抑え気味に作られていて、食べやすく満足感たっぷり。

エンガディナーとほぼ同じ作りのお菓子なのですが、糖蜜のおかげでずいぶん奥行きの深いお菓子になっています。ピーカンだけでなくクルミを加えたことも力強さに繋がっているのでしょう。お見事です。




●『レモンチェッロレモンタルト』 辺9.5cm 高さ2.8cm 70gほどほど。
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檸檬じゃなくて、レモンチェッロかぁ。

若かりし頃、イタリアンの後は、レモンチエッロののちグラッパ、という流れでした。懐かしいな。迷わず選びました。

パートシュクレにレモンケーキ風のスポンジ生地を流し込んで焼いています。
生地にもレモンチェッロを入れた上に、焼き上がりにもしっかりアンビベ。仕上げに粉糖。

とっても上品なケーキです。生地の軽やかさといったらもぅ! 

普通レモンタルトというとレモンカード風のものを詰めたものが主流。上にメレンゲが載ったり。レモンの酸味の強さと甘さが強烈、食感もねっとりと重いというのが相場です。
ところがレモンは香りが中心で酸味はどこかで少ししているのかな、といったレベル。甘さは優しいほのかさ。
対極にあるタルトと云えるでしょう。

そして食感のホロホロとした優しさ。シュクレもサクサクと軽快に解けてくれます。底のエッジなどは7ミリくらいの厚みがあるにもかかわらず、まったく重さを感じさせません。

特別の生地を生み出し、その個性を裏切らない土台を合わせるセンスと技術の確かさはさすがですね。
一口含んで目を見張ったほどの美味しさ。じつに、お見事です。



手作り感溢れる、心安らぐ空間。ローテーブルを前にL字に置かれたカウチに腰を落ち着けると、自分の家のように居着いてしまいそうになります。
浮田さんは、研ぎすましたアートなお菓子ではなく、日常に寄り添った“ざっくり”としたお菓子を作って行きたいとのこと。たしかに、初めて食べてもどこか懐かしいホームメイドな良さに溢れているし、毎日でも食べたくなりますね。
お店の雰囲気といい、お菓子の顔といい、目指すものをよく心得、手の内に入れているなと思いました。
まだまだ若いシェフですが、レシピを追いかけて、修業先を渡り歩くのではなく、一所で5年、7年と長く務めることでお菓子の精神を深く学んだ、ということが大きそうですね。

オープン半年だというのにご近所の皆さん、すっかり常連さんになっているようで、ちょっとした話に華が咲いているようだったし、穏やかな空気が流れているのがわかります。
私たちも彩子ちゃんの明るいゆとりのある笑顔に迎えられて、すっかり和んだ時間を過ごしたのでした。



●『キッシュ』500円  『アップル&ルバーブカスタードパイ』380円  『チューイーピーカンバー』330円  『レモンチェッロレモンタルト』330円  (※外税)

●「ポニーポニーハングリー」
  大阪市西区江戸堀2-3-9  EL06-7505-6915  定休日/水曜  営業時間/12:00〜19:00

  ※ブログ「パイ日和おまけ」では、こちらの焼菓子をご紹介しています。

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