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zoom RSS 2017年3月オープンの新店! パティスリー ウサギ(1)『パッションフルーツのタルト』『バナナの

<<   作成日時 : 2017/04/26 21:14   >>

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期待を掻き立ててくれる新人の登場です。
兵庫県伊丹市、阪急伊丹線の終点・伊丹駅から東へ3分ほど。「ひがし商店街」に入ってほどなく、左手に白を基調にした、お洒落で アンティークっぽい木の温もりが感じられるガラスドア。どこか伸びやかな雰囲気の小さなお店が現れます。2017年3月10日にオープンしたばかりのパティスリー「ウサギ usagui」さんです。
店名は、シェフが兎好きというのはもちろん、覚えやすさも大事にしたいとのことで命名されたそうです。ハンコで押したようなシンプルな兎のイラストがキーヴィジュアルになっています。

じつは、同じ道をさらに東へ5分ほど行ったところにある「ラクロワ」の山川シェフから新しいお店が出来ますよ、と以前に聞いていました。
キャンペーンで中休みしていた食べ歩きの再開1号店に白羽の矢を立ててみて、大正解。

シェフは村西理沙さん。1985年7月生まれの31歳。関西外国語短期大学を卒業すると専門学校を経ずに、いきなりその当時、大阪随一の行列店だった「リョーコ」へ。半年ほどの修業後、2年余り、知り合いのお店の手伝いをして、カフェのお菓子作り等も体験しました。
本格的に修業したくなって今度もまたいきなり、渡仏。なんという思い切りの良さでしょう。
まず、パリからスタート。学校に通いながら「ラ プティット ローズ」で研修し、「ピエール エルメ」へ。次がアルザスのルレデセールにも選ばれている地元では有名なお店へ。ここで就労ビザも取得し、2年ほど。
パリに戻って「パティスリーコロロヴァ」、その後何軒かレストランでデセールも経験。

そうこうしているうちに7年もの月日が。20代のほとんどをフランスで。もう修業云々ではなく、生活者としてどっぷりと浸かったフランス。
ということで、彼女のお菓子からは、このフランスの味が滲み出して来るのでしょうね。

水が合っている、というのでしょうか、フランスを離れたいとは思わなかったそうですが、自分のお菓子作りをしたい気持ちが強くなってきた時期でもありました。このまま雇われて作るのか、自分の創作意欲に従うのか。思案の分かれ道。
ちょうどその頃、実家のお爺ちゃんの洋服のお店をリフォームして、半分スペースが空くことに。
こうなりゃ、やるしかないでしょう!

というのは、商品を注文して落ち着いてお聞きした話。
お店に着いた時にまっ先に目に入ったのは、な、なんと、ほとんど空っぽのショーケース。ひゃあぁ、生も焼きっぱなしも数点を残すのみ。平日の3時前だというのに、売り切れ状態だったのです。
慌ててキープした、その2つをご紹介しましょう。




●『パッションフルーツのタルト』  径6.8cm 高さ1.6cm 70gほど。
画像
パッションフルーツのタルトだ! 大好物です。

アーモンドプードル入りのパートシュクレに、バナナのカラメリゼにパッションフルーツのピュレを和えたものを敷き、その上にホワイトチョコをブロンド色に焼き込んだもののガナッシュを流し、一番上にパッションフルーツのクリーム(レモンカードのパッション版のようなもの)。
ホワイトチョコのガナッシュで模様を付けています。

わぉ、ブラーヴァ!! 
美味しいっ! なんて素晴らしいバランス感覚。 

パッションの鋭いきゅんとした酸味をしっかり満喫させつつ、過剰な刺激には走らず、エレガンスを含ませています。ブロンドチョコの円やかでコクのある甘味がパッションの過剰なトゲを削り、ふくよかさを。バナナはパッションに溶け込みつつ、奥行きと幅を作り出しているようです。

新人のお手並み拝見と身構えた心を瞬時に蕩かしてしまうほどの、魅惑の味わい。
キュンとした味わいで心を鷲掴みにしておいて、ブロンドチョコのふくよかさで包み込んでくれる。ときめきと安らぎを同居させるなんて!
ねっとりとろんとしたクリームの質感も心地いい。
それを受け止める、芳ばしくサックサクのシュクレももちろんいいですねぇ。

3層構造のクリーム、お手間入りのタルトです。
が、味・香り・食感の作り込んだ重さや複雑さを感じさせない、軽やかさ。分かりやすく親しみのある味なのに、どこまでも深く魅せられてしまう味わい。
これは何度食べても食べ飽きることがないでしょう、素晴らしい完成度。

うんうん、お見事です! のっけからノックアウトパンチを貰っちゃいましたね。ふうぅ。



●『バナナのタルト』  辺7.5cm 高さ3.1cm 70gほど。
画像
焼きっぱなしのタルトです。

同じシュクレを使ったタルトですが、こちらの方が底の敷き込みが薄くわずか2mmほど。サクッサクッと崩れるごとに芳ばしい香りを振りまきます。
ほのかなラム酒風味のダマドの上に、生の輪切りのバナナを敷き詰めて焼いた、普段着のシンプルなタルト。
仕上げに粉糖。

バナナは焼き込まれて味が凝縮されるとともに、ダマンドもジュースを吸ってバナナの味わいが膨らみますね。
面白いのは、バナナにラム酒を纏わせていないのでバナナ単独の香りとほんのりとしたラム酒の香りが別々に併存させているところ。
ぴったり一体化すると少しくどいめの爛熟した香りになるものですが、別々にすることで、より清潔感のある味わいになっているような気がしました。

薄いシュクレの、繊細でいて力強さを兼ね備えた食感の妙も特筆ものです。




2品のタルトをいただいただけですが、バランス感覚、シュクレの使い分け、フォンサージュの美しさ、どこをとってもお見事。嬉しい出会いです。
ショーカードを見たら食指をそそられるものばかり(シブースト、チョコレートタルト、ピスタチオのミルフォイユ、エクレアなど)だったのですが、なにせすでに品薄。オープンしてまだ1ヵ月ちょっとなのにすっかりファンがいるのですね、と言うとご本人は「たまたま今朝まとめ買いする人がいただけで」とのこと。
でも、小一時間の滞在時間中に4組ほどのお客様。どのお客様とも気軽に話をする姿にアーティストであると同時に、経営者としての覚悟も見て取れます。

本日の品揃えは、生ケーキ8種、焼きっぱなし3種。焼菓子8種。
販売製造のアルバイトはいますが、一人で作っていますから、まだまだささやかなレパートリー展開です。
それに今は帰国したばかりで日本の素材のクセを測りかね、思わぬ失敗もあるとのこと。フランスと日本の素材の違い、気候の違いなどに馴れてくれば、もっと面白いものが飛び出して来ることでしょう。
とはいえ、気さくでさばけた印象の村西シェフにはガチガチの気負いみたいなものはなく、どちらかというと、自分がフランスで習い覚えたものを素直に作ることが一番自分らしいということのようです。
シェフが作らないと分かっているのが、シュークリーム(シューだったらエクレアやサントノーレとか作ればいいし)やプリン(クレームブリュレなら作ってもいいかな、とのこと)に、ロールケーキ。他のお店に行けばいくらでも売っている類いのもの。
彼女にしか出来ないもの、それを求めて、伊丹へ。
断言してしまいましょう、今後、メディアに取り上げられることが増えていくお店です。その前に、是非!



●『パッションフルーツのタルト』480円  『バナナのタルト』380円  (※外税)

●「パティスリー ウサギ Usagui 」
  兵庫県伊丹市中央1-7-15  TEL072-744-2790  定休日/水曜・木曜  営業時間/11:00〜19:00
  ※なおゴールデンウィーク中は水・木営業で、明けて8、9の月火を休むそうです。

 ※ブログ「パイ日和おまけ」では、こちらのケーキ&焼菓子をご紹介しています。

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