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zoom RSS 3月14日はπ(パイ)の日、ということで…手作り(13)『アップルパイ』/日本パイ協会

<<   作成日時 : 2017/03/14 12:01   >>

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毎年恒例の、小生(クボタ)によるパイ作り。

画像「3.14=π(パイ)の日R」キャンペーン(第16回目)を主宰運営しているものとして、シェフたちの大変さのほんの一端でも経験しようと、自分でも作っている。
今回は“パイバード”という焼物を手に入れたので、イギリス風のアップルパイに挑戦。


●『アップルパイ』  内径16.8cm 深さ4cmほど。
パイバードとは、例のマザーグースで歌われている“フォー&トゥエンティ”という歌の内容を参考にした陶器シリーズの一品。
パイが焼き上がったら中から黒い鳥が24羽飛び出してきて、歓びを歌うというもの。
パイバードはパイを焼く時にパイ皿の中央に置いて、フィリングから出る蒸気を抜くためのもの。パイ生地に穴を開けておけば、パイバードに頼らなくてもうまく焼けるのだが、歓びを歌ってくれるというのが面白くてやってみた。
果たせるかな、蒸気が吹き上がってくると、シューシューと音を立ててくれたのだった。


画像マザーグースということでレシピもイギリス風に従った。
参考にしたのは「ミセスギフォードのイギリスパイとプディング」という本。

薄力粉とバターは2対1。塩少々。
バターは室温に戻して小さなダイスに切って、粉をまぶし、冷えた指先でそぼろ状になるまで擦り合せて行く。少々大きなバターの塊が残っても構わない。
ミセスギフォードさんは水は少なめにするのがコツと強い調子で書いているが、所定の粉200gに対して大さじ1では、あまりに少な過ぎ、バターを溶かすようにしないと繋がらないので(ボール状にすらならない)、結局、3倍量近く入ったところで滑らかなボールが完成。
麺棒で伸ばすのも容易で、割れることもないので、結果的に良かったのではないかと思う。
人によってはショートニングやラードをバター代わりに使うレシピもあるので、イギリス人のサクサクサラサラ食感へのこだわりはかなり強そうだが、水が多くてもベタベタにさえしなければ、十分にサラサラに仕上がるようだ。

なお、生地にしっかり味を付けないと、せっかくのフィリングの美味しさが生地に奪われて、味気のないものになってしまうとか。塩少々は粉200gに小さじ1/4〜1/2くらいが許容範囲ではないだろうか。

画像フィリングは紅玉を3mm厚ほどにスライスを敷き詰め、シナモンたっぷり、砂糖とバターを75gずつ上から掛けたり、載せたり。
表面には2.5mmほどに厚さに伸ばした生地を被せ、中央を大きく切り開き、パイバードを埋め込み、それに生地をピッタリ貼付けて生地を閉じる。
余り生地で葉っぱ状の飾りを作って水で濡らして生地に貼付ける。
薄力粉200gという分量は下に敷き込んでも足りるだけの分量。陶器の皿を使ったので、うまく火が通らないだろうと省略。

元々、余った生地は、塩胡椒、スパイス、チーズなどで、甘くないビスケットを作ればいいと言っているので、何回か折り込んで小口からスライスしてパルミエの片側のようなものを大量に焼いた(焼き色を見て、途中で取り出す)。
200℃のオーブンで40分。パイバードのシューシューという歌を聞きながら待つ。


画像目出たく完成。
パイバードの部分を切り抜いてから、切り分け。皿ごとテーブルに出せるし、敷き込み生地が生焼けになることがないので、今回の方法は素人には有り難い方法だった。

しかもトロトロの林檎にサクサクの生地の対照が素晴らしい。砂糖とバターの分量はやや多めに感じられる(とくにバター。半量でもいいかもしれない)が、味わい深く。
数十年の手作りの中で最高に美味しいと、いつもの書き手イワモトからの賞賛も得られた。やったね。
冷まして食べたが、熱々のうちにアイスクリームを添えるのもいいだろう。

これだけ簡単に作れるからこそ、パイが日常的なものになり得、家庭料理として重宝されるというのがよく分かる。
作るのが苦手の人も簡単に美味しいものが作れるし、周りの反応も嬉しいし、焼いている間の香りもいいし、いいこと尽くし。ぜひお試しのほどを。


    *  *  *  *  *
画像
ここからは、イワモトによる雑記です。

第16回目の「3.14=π(パイ)の日 R」キャンペーン、本日最終日。
毎年10月からスタートして、この3月末頃までが活動期間です。このように期間が長くなってしまうのは、「日本パイ協会」が二人だけなので時間がかかってしまうのです。
何故二人かって? 別に二人にこだわっているわけではないのですが、利益を生まない活動なので、まァ酔狂な二人でするしかないというのが現状です。

そこまでして、何故に16回も続けてこられたかというと、やはり“パイが好き、お菓子が好き”というのが根底にあります。
が、じつはそれだけではありません。“想いを形にする職人さん、ものを創る人”が好きなのです。

彼ら彼女らは丹誠込めて日々お菓子作りをしています。とても厳しい世界です。プロフェッショナルとはそういう世界なのでしょう。
しかも、この時期は一年で一番忙しい時でもあります。「パイ菓子は日持ちもしないし、作るのも大変だし、一番最後に余力があれば作るかも」「こんな忙しい時にはもっと簡単で利益率の高いものがいい、生活かかっていますし」などのご意見が大半を占めています。もちろん、ご参加されないお店がダメ、というわけではありません。それが当然ともいえます。

だからこそ、厳しい状況のもと、目先の利益に走らずに熱心にパイを作っているシェフたちを見ていると、私たちが常日頃合言葉にしている“パイの美味しいお店は、いいお店”を実感するのです。
彼らの「お客さんにぜひ食べてもらい好きになって欲しい」「もっとパイの美味しさを知って欲しいな」「年に1回新作を作るいい機会です」「パイをずらっと並べたいなぁアピールしていきましょう」という言葉にどれだけ励まされることか。この心の交流が糧となって続けられていると云えるでしょう。

こうやって、だんだん打ち解けて信頼関係が築かれていくと、作り手としての誠実な姿勢に接することはもちろん、思いがけない発見、興味深い出来事に出遇うことがあります。もうそれは、大袈裟かもしれませんが“僥倖”のようなもの。
私たちにできるのは、巡ってきたその幸せを伝えること、しかありません。なんとかして、食べ手と作り手を繋ぎたいのです。
とはいえ、本当に小さくて地味なキャンペーンですから
   ひとりの作り手のこころを
   ひとりの食べ手に伝えること。
たったこれっぽっちのことしかできません。時折、そのあまりの非力さに打ちのめされそうになることも(自業自得ということは十分自覚していますよ)。

でも、その想いが貴方にそっと届いて、大好きなパイやお店と出会うことができたのなら、そして愉しいひとときを過ごす一助になれたのなら……、とても嬉しいなぁ。そう願って、毎日を過ごしています。
ミモザ満開の今日この頃、では、佳きパイの日をお過ごしくださいませ。

いつも私たちの拙文におつきあいいただきありがとうございます。深謝!



●『アップルパイ』原価400円程度(パイバードの価格は失念)

●「日本パイ協会」兵庫県西宮市在 

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