パイ日和

アクセスカウンタ

zoom RSS フィル(3) 『エクリュ』(洋梨のタルト)

<<   作成日時 : 2016/12/20 21:19   >>

トラックバック 0 / コメント 0

兵庫県西宮市、阪神タイガースのお膝元、甲子園球場の近く、甲子園筋を下ったところにある「パティスリーフィル」さん。
阪神ファンじゃないようですが、奥様の裕美さんは地元っ子。シェフ津田宗俊さんの美味しいケーキを根付かせようと、いつも明るいエールを送っています。そんな彼女の一押しのケーキをご紹介しましょう。


●『エクリュ』  径6.5cm 高さ6.5cmほど。
画像
洋梨のタルトです。
が、ただの洋梨のタルトではありません。

洋梨をコンポートするのは珍しくありませんが、一晩シロップに浸けて表面にだけ香りを纏わせ、大半の芯の部分はフレッシュの瑞々しさを大切にしています。シロップはオードヴィ、ヴァニラ、レモンで香り付け。
隠れて見えませんが中心にカスタードが。なんとメープルで香り付け。

そしてトップのシャンティは生クリームを前の晩にヴァニラの莢を入れて一度沸かしているのです。一晩浸潤させることでたっぷりヴァニラの香りが移ります。シェフによると、油脂の多い生クリームにアンフュゼするには牛乳より時間が掛かるとのこと。

メープルと聞いた時に、洋梨の繊細な香りを消してしまうのではと危惧したのです。
ところが、なんとも巧みに洋梨もメープルもヴァニラも競って華々しく薫っています。わぁお! 

洋梨のみずみずしさとやさしい香り、メープルの芳ばしいような奥行きのある香り、ヴァニラの夢見るような甘い香り。お互い邪魔することなく、魅力を抽き出し合っているのです。
メープルもパンケーキを食べる時のようにあくどくなく、品良く薫り、ずいぶん魅力アップ。この風味が核となっているように感じました。所謂、洋梨のタルトだけど、どこか往年の映画女優のような品の良さ、とでもいいましょうか。

土台のタルトも少し固めのカリサクッと強い食感のシュクレとふんわり優しいダマンドがしっかり支えています。それに飾りのように見えるぴかぴかのカシスもキリッとしたアクセントとして、きっちり仕事をしています。

一般に、果実をのっけただけに見えるタルト(シュクレにダマンドにフルーツに、シャンティかカスタード)は、すごく美味しそうだけれど、じつは見掛けほどではなくて…というものにも出会うことが。タルト台の強さに負けて、果物が活き活きと輝いてこないのです、とくに、繊細な果物の場合。
こちらのタルトも一見、同じように見えなくもありませんが、隅々まで計算され尽くし、いろいろ隠し技を使った見事なケーキ。

裕美さん曰く「アロマを楽しむケーキです」。おぉまさにその通り、お見事です。



津田シェフは以前にもお知らせした通り「アンリシャルパンティエ」の商品開発に長く携わってきた英才。今、とても手の込んだ優美なケーキを開発していますが、おそらくアンリ時代に複雑すぎて商品化できなかったアイデアをいっぱい抱えているのではないかと睨みました。
今後、どんな魅力的なケーキが出て来るのか、玉手箱のように期待に満ちたお店です。



●『エクリュ』480円  (※外税)

●「パティスリー フィル」
  兵庫県西宮市甲子園九番町3-25  TEL0798-81-3785  定休日/水曜・火曜不定休  営業時間/10:00〜20:00
  ※ブログ「パイ日和おまけ」では、こちらの生ケーキをご紹介しています。

テーマ

注目テーマ 一覧


月別リンク

フィル(3) 『エクリュ』(洋梨のタルト) パイ日和/BIGLOBEウェブリブログ
文字サイズ:       閉じる