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zoom RSS ラ・フルネ(5)『フランオマロン』『洋梨のタルト』『安納こがねと黒糖くるみのタルト』『栗とカボチャ…

<<   作成日時 : 2016/11/16 21:12   >>

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大阪市西区、地下鉄四ツ線・肥後橋駅から土佐堀通を西へ3分ほど、川へ向かう道の中程にあるのが「ブーランジュリー パティスリー ラ・フルネ」さん。
肩書き通りパンとお菓子の両刀使い。どちらも関西のトップクラスの実力と個性を発揮しているのですから、恐れ入ります。今回はお菓子に絞ってご紹介しましょう。


●『フラン オ マロン』  辺10cm 高さ4.5cm 90gほど。
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大好きな『ショソンオ ポム』を予約したのですが、今シーズンまだ焼いていないということで、春日シェフが代わりに取り置きしてくれていた一品。
自信作とみていいでしょう。

ふふふっ、それにしても地味な見掛けですねぇ。なぜだかこういった姿のお菓子、大好きなのです。

フィユタージュの2番生地に、マロンペーストを混ぜ込んだアパレイユを流して焼き上げたもの。アパレイユは一般のフラン生地よりは卵が多めのようです。
最後にアプリコットのナパージュをたっぷり。

さて、いただきましょう。
ホウッ、なんですか、このねっとり、とろーりとした食感は! 

どことなくイタリア菓子のボネに似ていなくもない(といってもザラつき感はなし)のですが、このねっとりがなんとも独特。満たされる重みと優しさを兼ね備えています。
マロンの香りとコクの満足感も十分。アプリコットの酸味で輪郭がはっきりして、茫洋感に陥ることがありません。

一口目で圧倒的な印象を与えられ、脳髄のどこかがスパークするほどなのですが、最後までまったく飽きることがないし、一口ごとに優しさに包まれていきます。体調が思わしくない時の栄養食にもなりうるフランの優しさをベースに、マロンの充実感が加わって、例え様のない新しい美味しさを作り出しているのです。
2番生地とはいえ、他店の1番生地よりも繊細な食感と豊かな香りのフィユタージュのサポートも見逃せません。

素晴らしい逸品。お見事です。




●『洋梨のタルト』  辺7.5cm 高さ3.3cm 100gほど。
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これも取り置きの一品。

パートシュクレにチョコレート風味のダマンド、フランボワーズのジャムを塗って普通のダマンド、もう一度ジャムを塗って、やや厚切りの洋梨のスライス。

先日、“洋梨とフランボワーズの組合せ”を珍しいと「コムトゥジュール」さんで言ったばかりですが、またしても出会いました。
私たちが不注意だっただけ? たは。

こちらの組合せはダマンドを2層にしたところが、ミソ。そのチョコレートによってより高度で複雑な味わいを作り出したとも云えるでしょう。
洋梨とチョコは元々よく合う素材。洋梨とフランボワーズは先日確認した通り、新しさを感じる相性。フランボワーズとチョコはいくつも名品がありますね。そう、好敵手同士の組合せなのです。

洋梨のしゅっるとした瑞々しさ、フランボワーズの可憐なアクセント、チョコレートの豊かな奥行き。
アーモンドプードル入りでしょうか、シュクレの芳ばしさとサックサク感も文句なし。1回だけ弾けたペパンも、気の利いた目配せ。それらが渾然一体となった、面白さ、美味しさ。

基本の“洋梨とダマンドとシュクレだけ”も大好きですが、こういう華やかで技ありのアレンジもいいですねぇ。




●『安納こがねと黒糖くるみのタルト』  径6.5cm 高さ4.2cm 90gほど。
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シュクレに黒糖風味のダマンドを敷き、安納こがねを載せ周囲にクルミを散らしています。
ナパージュに、黒胡麻がチラッと。

季節の実り。なんだか、食べる前から豊穣な印象を受けますね。
安納こがねはたっぷり蜜を含んだ甘い芋ですが、甘味に嫌みのない自然さがいい。逆にそこに、豊かさが感じられます。

このタルトに成功をもたらしているのは、主役の芋以上に黒糖ダマンドの強いコクと甘い香り、十分に煎られたクルミの芳ばしさとシャクシャクした小気味いい食感。
シュクレのサクサク感と香りの豊かさも出色。少しの胡麻もあるとないでは大違い。ふぅ。

安納こがねは十分に美味しく主役には違いないのですが、傍役たちが個性的でバックで賑わいをもたらしています。主役が威張りすぎない良さかな。

黒糖の黒い色からイメージしてしまうのか、大地の豊かさのようなものを感じます。生命を宿す母体としての大地。季節の味わいをここまで表現できるのは素晴らしい!




●『栗とカボチャのパイ』  6.5×6.5cm 高さ4.8cn 65gほど。
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こちらの独特のフィユタージュ(絶品です! デトランプにもバターを入れるアンヴェルセ風の普通折り)で、カボチャのクリームと渋皮栗1個を包んで焼いています。仕上げはカラメリゼ。

マロンパイのダマンドの代わりに、カボチャのクリームが使われているというところですね。

手にもって、ガブッといけば…… わっ、美味しいッ! 

ダマンドが強く押し出してくる豊かさだとすると、カボチャクリームはやや引き気味。
カボチャも味わいは豊かで、美味しいスープの濃度を高め、ぼってりと重くしたというイメージなので、けして地味なものではないのです。ダマンドにはバターが多く含まれているのに対して、カボチャの方は油脂分が少ないということの違いなのでしょうか。
いずれにせよ、優しさが、数段上。おかげで栗の存在感が立っていますね。

全体の優しさと、フィユタージュのサクサクとした独特の軽やかさ優しさがピッタリ調和しています。
バターの香りも特筆もの。エッジの部分はフィリングの水分の影響を受けずに焼き上がり、胴体部分とは別種のカリリとした食感。アクセントが利いています。

うんうん、シンプルだけど見事ですね。秋の味覚、満喫満足!


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いやあ、何度食べても感心しちゃいますね。つねに期待を上回るパフォーマンス。
満足感が次の満足感を呼ぶ幸せのスパイラル。お見事です。








●『フラン オ マロン』320円  『洋梨のタルト』350円  『安納こがねと黒糖くるみのタルト』320円  『栗とカボチャのパイ』320円  (※外税)

●「ブーランジュリー パティスリー ラ・フルネ」
  大阪市西区土佐堀1-4-2  TEL06-6147-5267  定休日/月曜、他不定休  営業時間/10:00〜20:00
 
 ※ブログ「パイ日和おまけ」では、こちらの『シュトーレン』をご紹介しています。

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