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zoom RSS コムトゥジュール(12)『タルトタタン』『洋梨と木いちごの焼タルト』『ココ』『クロワッサン 3種』

<<   作成日時 : 2016/11/08 21:26   >>

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京都北山通、賀茂川から少し西へ入ったところにある「コムトゥジュール」さん。オープン20年目の熟練の技が光るお店です。蜂谷シェフの研ぎすまされた職人技のおかげで安定感も特筆ものです。
今回、お菓子のことはシェフからまったく聞いていませんので間違っていたらごめんなさい。代わりに、とても興味深いパティシエの心構えについてお話ができたのでした。詳しくは、〆の文章で。


●『タルトタタン』   辺9cm 高さ3.3cmほど。
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以前に詳しく紹介しているので、今回は簡単に。

一番の特長は林檎を蒸し焼きにして、いったん出したジュースを吸い戻すところまでギリギリ焼き込んでいること。
パイ生地の上にダマンドを敷いて生地が湿気るのを防いでいること(もちろん味わいの奥行も)。

トロトロの林檎は味わい深く、カラメルのほろ苦さと林檎の酸味が合わさり、絶妙というしかない美味しさ。ギリシャの神々の飲み物ネクターもかくや、といっても大袈裟の誹りは受けないと思います。

パイは狙い通り、軽快にサクサクと崩れ、深く焼き込んだ芳ばしさとバターの芳醇な香りに満たされます。ダマンドもただの湿気防止ではなく、2つの強い個性を結びつけると同時にマイルドさも加えてくれているのです。
最後近くになったら、クリームチーズのクリームをたっぷりのっけて食べると、あらまっ違う印象に。

秋になるとやはり食べたくなるのが、このタルトタタン。
ふうぅ、パーフェクト!




●『洋梨と木いちごの焼タルト』  辺7.5cm 高さ3cmほど。
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パートシュクレにたっぷりのダマンド。洋梨のスライスを美しく並べ、木いちごのジャムを薄く流して焼いています。

シュクレの底の部分にグラニュー糖を貼付けて焼いているのか、ブツブツとした跡がついていて、焼くことで溶けた砂糖によって薄くカラメリゼされたような状態に。
食感はジャリジャリ、カリッと個性的。甘味もプラスされています。存在感、強烈ですね。
ダマンドは本来の豊満さを存分に発揮しています。

そして、主役の洋梨と木苺。
相性的にはどうかなと一瞬、迷いましたが、ふーむ、それが素晴らしくハマッているのです、とっても。

洋梨はとろとろと滑らかな舌触り、そこへ木苺の味がミックスされて瑞々しい“新たな果物”を食べているような錯覚に誘われます。時折ペパンが主張したりしてきて、刺激的。わぉ!

シュクレに、グラニュー糖に、ダマンドに、果物。すべてがとてもバランス良く、ずっと昔からあった名品のよう。
誰が食べても美味しいと感じられる練れた味わいであって、なおかつ新鮮な味覚を作り出すというのは至難の業。
それを軽々とやってみせるのですから、さすがは蜂谷シェフ、お見事です!




●『ココ』   6×6cm 厚み2.3cmほど。
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これまた、2回目のご紹介

よく焼き込んだパイ生地の上に、ココナッツファイン(チラッとピスタチオも)をたっぷりカラメルで貼付け、しっかり焼き込んでいます。
ガシッと圧さえ込んだパイですが、サクサク、ハラハラと軽やかな食感。
この辺りが、パイ名人の名人たるゆえんでしょうね。

ココナッツは焼き込まれて芳ばしい香りをまき散らしています。
にもかかわらず、パイの香りの方が、上回っているかも。大したものですね。




●『クロワッサン オ ブール』  6.3×12.5cm 高さ5cm 50gほど。
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軽やかで味わい深いクロワッサン。

クラストの強さで勝負するのではなく、もっと全体に繊細さを行き渡らせる考えのようです。サワサワとした軽やかな表皮。

中はしっとり、もっちり。ふんわりと柔らかにバターが香ります。
甘味も優しく、バターの旨味の一部のように感じられます。

いやあ、美味しいなあ。
あまりに軽やかな味わいなので、つい2、3個食べたくなるところが、危険。お気をつけあそばせ。
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●『クロワッサン オ ザマンド』  10×13.5cm 高さ3.5cm 125gほど。
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生地の中央にカスタード(フランジパーヌ?)を挟み、全体にはダマンドをたっぷり塗り付け、アーモンドスライスをパラパラ。

ラム酒が利いていますね。こちらでは珍しい洋酒使いの一品。
ヴォリュームたっぷりのダマンドが、ラム酒のコクのある香りのおかげでさらに満足感を高め、量感が豊かに感じられます。

優しい味わいのパーツが3つ重ねられ、親しみやすさはそのままに、味わいの厚みを増しています。
とくになかにクリームが詰まっていることで、奥が深くなっているのではないでしょうか。贅沢だぁ。



●『クロワッサンオパルミジャーノ』  7.5×13cm 高さ5cm 50gほど。
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シンプルにパルミジャーノを振りかけて焼いているだけなのですが、これが、“!”なのですねぇ。
思わず美味しいっ、と二人とも頷き合って食べました。

ぴったり決まった味わい。“永遠の定番”のような味わい。
他に誰もやっていない(他所で見掛けたことがありません)のが不思議なくらい。
ザ・スタンダードっぽいですね。

ははは〜、いくらでも食べたくなり、進む、進む、パクパクと……。
なんだか馬鹿な唄が口を突いて出そうです。お見事!
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画像タタンのところで、はしたなくパーフェクトなどとほざいてしまいましたが、蜂谷シェフはあっさり否定するでしょう。
というのは、彼はねっからの職人で技術は日々進化しなければならないという信念を持っているからです。

「時折パイを作る、というのでは駄目です。とくにパイ生地は天候の影響を受けやすく、毎日が真剣勝負」。
毎日毎日弛まず焼いているからこそ、温度や湿度の違いによる微妙な変化に即応できるのということのようです。「日々の経験の積み重ねはデータを採っているわけではないけれど、目で見て、匂いを嗅いで、音を聞いて、味わって、手の感触を覚えて…、自然と身に付いてくる。いや、身に付いている。そうやってより狭いストライクゾーンを狙うことで、よりよいものが作れ、安定感も増して行くのだ」と、生地と向き合う気持ちを語ります。

これだけの名人が「10年前と今日では違うパイになっていますよ」と断言する。
この真摯な姿勢があるからこその美味しさを戴けるということ。名人気質、有り難いですね。20年、多くの方に支持されてきた理由がここにあります。

最後にこれまた職人さんならではの一言、「今日は喋りすぎました」。



●『タルトタタン』440円  『洋梨と木いちごの焼タルト』370円  『ココ』210円  『クロワッサン オ ブール』190円  『クロワッサン オ ザマンド』240円  『クロワッサンオパルミジャーノ』210円  (※内税)

●「コムトゥジュール」
  京都市北区小山元町50-1  TEL075-495-5188  定休日/水曜  営業時間/10:00〜19:30

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