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zoom RSS 2016年7月オープンの新店!ポワリエ(1)『ポワリエ』『アップルパイ』『りんごの焼タルト』『くるみ

<<   作成日時 : 2016/10/15 12:06   >>

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私たちの地元、西宮に新しいパティスリーが誕生いたしました。
兵庫県西宮市、阪急神戸線・夙川駅から線路の北側を大阪寄りに10分ほどのところにある、「パティスリー ポワリエ」さん。2016年7月21日にオープンのほやほやの新店です。
御影(現在、本店は甲南山手に移転)の名店「ダニエル」に15年もの長きに渡って一筋に勤め上げたという、岡崎純子さん(1979年生まれ)のお店です。

明るくウッディーで清潔感溢れるインテリア。「ポワリエ poirier 」とは“洋梨の木”の意。壁やショップカードなどにキービジュアルとして可愛く描かれています。
なんだか生成りのリネンを思わせるような色合いに感じられるショーケースのケーキたちも、「ダニエル」を彷彿とさせるものがありますね。材料は共通、配合は微妙に変えているものの、レシピも出身店のものを踏襲しているとか。
徐々に自分らしいものも出して行きたいとのことですが、「まだまだお店の基礎固めですから」と焦る様子は微塵もありません。なにより、「ダニエル」の味が大好きなのだそうです。

では、久しぶりに、私たちにとってもかつての“憧れのお店”(1990年頃よく通いました)の味わいを再体験してみようではありませんか。なんだかすでに、ワクワクしてしまっています。



●『ポワリエ』   径7cm 高さ3.4cm 70gほど。
画像
お店の名前を背負った看板商品。

よく見ればピュイダムールですね。
伝統菓子ですから新奇な驚きはありません。それを看板に据えるということは、この味への惚れ込みの強さと、自信をうかがわせます。

「美味しいですよねぇ。辻製菓で習ったときに食べたのが最初なんですけど、感動してしまって。それ以来、大好きでなんです」と、ピュイダムールについて話すことが出来るのが、嬉しくてたまらないといった様子。
こういうシェフが心底惚れ込んでいるお菓子って、食べ手にもその熱意が伝わって、好きを軽く飛び越えて、“大好き!”になってしまうものです。

さてさて、食べてみましょう。私たちも元々大好きなお菓子なので、ついつい揉み手をしてからナイフ、フォークを手にしたほど気合いが入ってしまいました。
おっ、表面のカラメリゼがぜんぜん泣いていません。クレームブリュレのようにコンコン、パリンッと気持ちのいい儀式を経て、いざっ!

ザクサクッ、カリカリ、シュルル、とろーり。
嗚呼、一瞬にしてさまざまな食感が押し寄せ、パイの焼き込んだ香り、カラメルの芳ばしさ、カスタードの卵風味、中に隠れている洋梨の爛熟したような香り。ふうぅぅ、食感と香りの多彩さに陶然となってしまいます。
それでいて、カスタードは甘さ控えめで、いくつでも食べたくなる優しい美味しさ。

パイ生地はやや厚めで、生地の満足感が高いのもいいてすねぇ。ほろ苦さが出るところまで焼いているのですが、表面のカラメルとのバランスが良く、ほろ苦さは目立たず、味わいの奥行として働いているのですね。
カスタードの中にフランボワーズがほんのすこしチラチラと配されていて、軽い酸味がまさに画竜点睛となっているのでした。

オープン間もない新人のお店でこれほど完成度の高いお菓子に出会うとは。15年のキャリアは伊達ではありませんね。
予想の大好きをひょいと飛び越えて…… 大大〜大好き! 天晴れ、お見事です。




●『アップルパイ』   6.5×10.5cm 高さ4.4cm 65gほど。
画像
ショソン型のアップルパイが可愛く並んでいて、入店と同時に、ヤッター!と目が輝いてしまいました。

こちらのフィユタージュは、極薄。生地の仕上げで相当に薄く延ばしているようです。それでも生地が潰れずきれいに浮いています。腕の良さを感じます。
ちなみに、粉は強力粉がやや多め、折りも間に4つ折りも入るので、一般的な3つ折り6回よりも多めだそうです。バターは醗酵。

中のとろとろのリンゴジャムはお手製。
リンゴの種類はサンフジが好みだけど、その時期時期のものを味を見て選んでいるとのこと。今回はサンつがると秋映、だったかな。

甘酸っぱいリンゴの芳醇さがバターの香りとよく合って、“これこれ”と頷いてしまいます。

画像パイ生地はサクッサクッと歯切れがいいのですが、ジャムの水分のせいでよく浮いていて、空洞が出来、部分的に蒸気で蒸されたところもあり、ふっくら感も感じられるのです。
優しさを含んだ明快さも、いいですねぇ。

うんうん、いいなぁこれ。もう1個食べたいッ!




●『りんごの焼タルト』   辺9cm 高さ3.6cm 120gほど。
画像
こちらのリンゴは薄切りスライスの生を直接焼いています。
生地はサブレ、フランジパーヌを敷いて、薄いジェノワーズ、スライスのリンゴを敷き詰め、少しキリのクリームチーズを加えたアパレイユを流し、クルミのダイスを振っています。

なんと1時間焼いているそうです。
下火のほうが強いのですが、上火でも190℃といいますから、それで焦げないのはよほど水分が多いのですね。
なるほど、サブレがザクッとしつつ、ふっくらとした優しい食感。水分の多さが活かされた面白い食感を手に入れています。

『アップルパイ』のリンゴのとろとろ感に対して、こちらはシャキシャキ! 
優しく柔らかな食感に包まれたリンゴの目覚ましさが、この食感から生まれています。

フランジパーヌとアパレイユの味わいは飽きのこない大人しいものなのですが、どこか人を惹き付けるものがあります。これがクリームチーズによるコクのなせる技なのでしょうか。いやぁ、やりますね。




●『くるみとショコラの焼タルト』   辺9cm 高さ4cm 90gほど。
画像
おぉ、真っ黒なタルト、ダンディです。

こちらはサブレ生地にフランジパーヌまでは一緒、そこへチョコ生地とチョコチップ、クルミをたっぷり、そしてまた同じようにアパレイユを流して焼き込んでいます。

りんごとかなり似た構成なのですが、リンゴのように水分が出ないというだけで随分雰囲気が変わっています。
サブレはザクサクッと小気味のいい食感。チョコとアパレイユのねっとりとした蕩ける口溶けの中に、クルミのカリコリ、シャクシャクとした音が響きます。

甘〜いチョコの豊かさ、嬉しさにクルミの食感とコクが引き立て合って、ニマニマと自分の顔のデッサンが崩れて行くのが自覚できるほど。ワオ、美味しい!
チョコで満足させられているのに、アパレイユが味わいを緩和してくれていてくどさを巧みに回避しているのです。それでいて味わいの奥行は深いのですからねぇ。

シンプルに見せかけて、隅に置けない業師です。満足満足、お見事です。




こういう、粉と卵の基本がしっかり活かされた味わいというのが普遍的な力強さ、生命力を持つものだということを新ためて実感させられました。滋味溢れるという言葉はあえて使いたくありません。
もっと明確に美味しい。誤解を恐れずに云えば、家庭で作られる最高の味わいをプロフェッショナルに洗練させた、と表現したいところ。イメージしてもらえるでしょうか。
毎日でも、何個でも食べられる、健康でいて、逆にそれだからこそ離れることの出来ない小さな“魔力”を秘めた味わい。
久々にベーシックな味わいで感動させられたのでした。

オーナーシェフの岡崎さんの人柄も、明るく誠実、几帳面なんだけど、受け答えにどこかユーモアもあって、余裕が感じられます。背も高いのですが(中高とバレーボールに打ち込んだとか)、人間のスケールも大きそう。
これから通うのが楽しみです。とても素敵なお店の誕生です。



●『ポワリエ』378円  『アップルパイ』324円  『りんごの焼タルト』432円  『くるみとショコラの焼タルト』432円   (※内税)

●「パティスリー ポワリエ」
  兵庫県西宮市若松町3-2  TEL0798-74-7729  定休日/火曜  営業時間/11:00〜19:00

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