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zoom RSS パティスリーアキト AKITO(5)『バスク ノワゼット』

<<   作成日時 : 2016/03/01 21:12   >>

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神戸・元町にこの人あり! 「パティスリー アキト AKITO」の田中哲人シェフの作るお菓子には、デビュッタントで注目を浴びる若い女性のような瑞々しい華やぎがあります。ベテランなのに、つねに新しい世界を求める精神の若々しさがあるからなのでしょうね。

今年(2016年)も3月9日から1週間、阪急百貨店梅田本店のフランスフェアに登場します。毎年大人気のこのフェア、お客さんで溢れかえりあちこちで大行列大渋滞。熱狂の会場です。
今年のテーマは“バスク地方”を中心とした、フランス南西部。

バスク地方サール村から来日する、パティスリー「ミュゼ・ドゥ・ガトー・バスク」オーナーパティシエ、ビシェンテ・マリシュラーさんの保存しつづける現地のオリジナルレシピを再現する役割を、アキトシェフは担います。
「パティスリー アキト」の名前は派手には出ないのですが、毎年各地方から来日するシェフの助っ人として、現地のレシピ再現に務めてきた陰の主役と言ってもいい存在です。
フェアが終わると来年のテーマがすぐに決定し、現地訪問、テーマとなるお菓子のさまざまなタイプを試食し、現地の空気を吸い、食事をし、感覚をフランス化してオリジナルの感覚を叩き込みます。オリジナルのレシピをもとに日本の材料でいかにオリジナルらしさを出すかの試作を重ねて、入念に準備。
いよいよ、フェア開催の2日前に現地からシェフが来日。
本番に向けて、一緒に厨房に立ち、最終の細かな擦り合わせ。事前にメールでのやり取りをしていても、実際には微妙な違いが。ここが、職人同士の真剣勝負の場。
ズボラなフランス人もいれば、ご陽気なフランス人、はたまた真面目で頑固なフランス人もいる。そういう、ちょっと難しい人を相手に、濃密な9日間。最終日は、お互い“よくやったね”と健闘を湛え合う間柄になるそうです。

こうして、人との出会いを大切にして、「アキト」のスペシャリテを作り出すことを楽しみにしているとのこと。お菓子の背景にストーリーを感じますね。このようにして、毎年毎年、「AKITO」に物語が詰まっていくのです。なんだか、いいですね。
今回は“バスク”をスペシャリテに昇華したのですが、フランスフェアで紹介される現地のオリジナルの味わいから一ひねりして、“アキトオリジナル”へ。

前置きが長くなりました。そろそろスペシャリテをご紹介しましょう。
なお、「3.14=π(パイ)の日R」キャンペーンの対象商品でもありますよ。お忘れなく!


●『バスクノワゼット クレーム』  辺8cm 高さ3.5cmほど。
画像
スペインに国境がまたがるバスク地方の郷土菓子。

現地のオリジナルバスクは、生地は粉、砂糖、バター、卵のみ。センターに入るのはラム酒が香るカスタード。

ともかくシンプル極まりないお菓子。それももっとも基本といえるパーツ。
シンプルなものほど微妙な差異が絶対的な個性と認識されるので難しい、と誰しもが言いますね。

アキトシェフによると、バスクでは3cmくらいの厚みに焼き上げ、その食感はガレットブルトンヌに近いのだそうです。ザクザク、ザラザラと強い食感と脆さが同居し、カスタードとその周辺はしっとりしていなければなりません。
シンプルなだけに決め手は、粉の香り。フランス産の小麦を日本で製粉したものを使ってなんとか現地の風味に近づいたかなというところ。
後、ほんの少しの塩(現地からの指定でバスク近郊のバイヨンヌ産)、カスタードのラム酒はこれも現地からの指定で“ネグリタのダブルアローム”。アルコール度数54度と強いものです。


画像さて。“アキトオリジナル”です。

生地に、ノワゼットのプードル(皮付き)を加えたこと。生地の香りを強化したことで“ダブルアローム”とのバランスがより良くなっているのではないでしょうか。
そして、カスタードの上に、ミルクジャムを薄く塗ったこと。ヴァニラビーンズたっぷりのカスタードは豊満ではありますが大甘ではないので、コクのある豊かな甘さがそっと添えられている印象です。

ふーむ、バスクオリジナルの方(フェアで販売)をまだ食べていないので、難しいですが、ノワゼットの香らせ方がほのかで、オリジナルの素朴さのイメージの範囲内での品のいいアレンジ。
いかにも繊細なシェフらしい、さじ加減。

画像一口ごとに、穏やかな気持ちを取り戻していきます。
じんわりとした旨味、ほろほろと崩れる生地、優しいカスタードの風味、ふっとラム酒の香りも品良く過ります。端っこの生地だけのざっくり感と中身のコントラストも格別。

あぁなんて美味しいのでしょう、ふぅぅぅ。
しみじみと美味しいお菓子に可憐な華が咲いたよう。お見事ですね!



フランスフェアではカスタードのほかに、サクランボを使った『スリーズ』も予定されています。
アキトさんのお店ではいま1種類のみですが、フェアが終わってからは5種類ほどその日の気まぐれで販売するとのことです。ノワゼットの入らないオリジナルタイプや、スリーズに出会える日もあるでしょう。わぁワクワク!



●『バスクノワゼット クレーム』2000円(16cmホール) カット販売/350円(1/6ピース) (※外税)
  なお、阪急百貨店での販売はサイズが一回り大きく、値段も一回り上となります。

●「パティスリー アキト AKITO」
  神戸市中央区元町3-17-6  TEL078-332-3620  定休日/火曜  営業時間/10:00〜19:00

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