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zoom RSS コムトゥジュール(10)『タルトタタン(再)』

<<   作成日時 : 2013/02/11 21:11   >>

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京都、鴨川の右岸から北山通を西へ2、3分のところにある「コムトゥジュール」( Comme Toujours )さん。
パイを語らせて、この人の右に出るものがいないくらいのパイ好きシェフ。
“水気を吸ってシナッとなったパイ生地は、僕のなかでは許せないです”と、強く語っています。
そんな蜂谷シェフが作る、私たちも大好きな『タルトタタン』とは…。
今回、作り方を聞くことが出来たので、再び取り上げることにしました。


●『タルトタタン』 辺9cm 高さ4.2cmほど。
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タルトタタンといえば、鍋にリンゴを詰めてパイ生地で蓋をして焼く、というイメージが一般的でしょう。
先にソテーしておくとか、リンゴだけで何時間も焼き込むとか、別焼きしたパイ生地に載せるだけとか。
まぁ、いろいろ方法は異なっていますが、サクサク、ザクザクのパイ生地に直接濡れたリンゴを置くという点では、ほとんど共通しています。

“ああ、タメダメ”という蜂谷シェフの声が聞こえてきそう。
“僕のは、世間のタルトタタンとまったく別物です。作り方が全然違いますもん。自分の好きなタタンを求めたら、違うものになるんです”。

むむむっ、違うって、なに?  俄然興味が湧き上がってきます。
たしかに、リンゴは定番の深い飴色ではなく、薄い色合いだし、パイとリンゴの間に層がありますね。

その作り方の要は、リンゴをなんと“蒸し焼き”にすることだったのです。
カラメルをほんの少し色付く程度、ヴァニラ、わずかのバター、生クリームをリンゴ(紅玉)に絡めたら蒸し焼き。一度、グッと膨らんで柔らかくなり、水分を出しはじめる。
蓋を取って水分を飛ばしつつ焼きながら(コンフィチュールみたいにする)、リンゴに果汁を戻す。その時に、ヴァニラなどの香りもしっかり入る。焦げる寸前で止める。
パイ生地にクレームダマンド、焼き上げたリンゴを載せます。水分のあるリンゴとパイ生地の間にちゃんとダマンドを置いて、湿気るのを防いでいるのですね。
表面は、リンゴの煮こごりのようなものとナパージュを合わせたもの。美しい艶です。


では、いただきましょう ………… ふ、ふっふぁははは〜、嗚呼なんて美味しいんでしょう、それになんだか楽しいなぁ。

蒸し焼きの成果か、リンゴは短時間の加熱でも、とろとろ〜っ。しかも、みずみずしさもた〜っぷり。
ダマンドはねっとり加減のふっくら。湿気防止の役割だけでなく、シェフ曰く“リンゴとパイだけやと、尖った、尖った、になってしまってストレートすぎるので”。
ほぅ、全体の調和をはかり、包み込む重要な役割を担っているのですね。リンゴの濃厚なジュースを吸ったダマンドも美味しいなぁ。
パイ生地は、軽快にサクサクッ。
まったく狙い通りの食感、そして、リンゴとパイの強さと同時に、やさしさも味わえます。

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おまけに、“リンゴは味が強くて途中で飽きるでしょ”と、こっくりしたクリームチーズのクリームが添えられています。
タタンの甘酸っぱ、ほろ苦さの世界を守りながら、一瞬目先を変える技。

どこからどこまで、じっくり念入りに手を掛けられ、磨き抜かれた味といえるでしょう。
いつもながら、お見事!




好みにもよるけれど、ブルーチーズを合わせるのも美味しいとのこと。なるほど、レストランでリンゴと時折、合わせていますね。
以前は『タルト ポム』というケーキで、ブルーチーズと黒胡椒を使っていたそうです。おっと、それもそそられますね。再会することは、ないのかなぁ、蜂谷シェフ。



●『タルトタタン』420円

●「コム トゥジュール」
 京都市北区小山元町50-1  TEL075-495-5188  定休日/水曜


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