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zoom RSS UTAKO (2) 『サワーポメロのシブースト』『くるみのタルトレット』『タルトレットプランタン』

<<   作成日時 : 2012/02/29 15:00   >>

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大阪府高槻市、JR摂津富田駅から西へ3、4分のところにある「パティシエール UTAKO(ウタコ)」さん。来る3月20日に、開店1周年を迎えます。おめでとう! 
記念イベントもある、気もそぞろという時期に「3.14=π(パイ)の日」キャンペーンにご参加、積極的に実施してくれことになりました。状況を正面から受け止めて、力に変えることが出来るのですね、ウタコさん。
対象商品も当初2品の予定を、急遽3品に。たった一人で作っているお店ですから、これはもう素晴らしい力の入れよう。わぉ嬉しいかぎりです。
ではさっそく、その力の入ったパイをご紹介しましょう。


●『サワーポメロのシブースト』 径6cm 高さ4.7cmほど。
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“サワーポメロ”といっても“なに?”ですよね。私たちも知りませんでした。
鹿児島特産の文旦の一種だそうです。

ご両親がお父さんの定年を期にご実家へ戻られ、先祖伝来の土地を守っておられるとのこと。そこに、サワーポメロの巨大な古木が何本もあり、毎年数百個収穫するとか。
蜜柑類は、古木ほど小さな実で凝縮した味わいのものになるのです。

UTAKOさんにしか手に入れようのない、想いの詰まった最高の素材を使ったパイ、それがこの『シブースト』。
このストーリーを聞くと、お菓子作りの真の豊かさを感じます。

ブリゼ生地に、柑橘風味のクラフティ生地を流して焼き、生のサワーポメロを載せ、さらに別に作っていたシブーストクリームを王冠のように載せ、表面をカラメリゼして仕上がり。

このクリームがいいですねぇ。普通シブーストというと甘いだけのお菓子になりがちなのですが、クリームにオレンジとレモンの果汁、レモンの果皮が入って、ほのかな酸味と風味が加わっています。
カラメリゼの風味が強く、ほろ苦さも十分(といっても心地いい印象)なので、酸味で受け止めることが求められているとすら言えるでしょう。

シブーストがメレンゲの弾力を十分に感じさせながら、風味はカスタードの方が強く出るような配合になっています。これがあればこそ、ほのずっぱさも、ほろ苦さも生きるのでしょうね。

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さて。肝心のサワーポメロ。
なんとも瑞々しく、爽やかな味と香り。堂々と主役はっています。

シブーストの場合、果実は火を入れて濃い味わいにしたものが多いのですが、サワーポメロはけして濃厚な果物ではありません。すきっとした繊細な酸味が持ち味なのです。
そこで、無理にアレンジして濃厚へシフトするのではなく、フレッシュの清らかな魅力そのままで勝負。これが大正解。

全体としてかなりの甘味のあるケーキにもかかわらず、ジューシーさと柑橘風味が加わることで、とてもスッキリした印象を生み出しています。
ブリゼのほのかな塩気が味を引き締め、サクサクッと軽快な食感も軽やかさを強調していい働き。

うーん、いいですねぇ。
シブーストの新しい世界 = すっきり清らかさ を堪能できる、眼の覚める美味しさです。お見事!





●『フランス産くるみのタルトレット』 径6.5cm 高さ3.5cm 70gほど。
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シェフの中塚雅子さん、フランスに留学した若い頃には、素朴な焼きっぱなしのお菓子に興味がなかったのに、フランスの田舎でたまたま食べた“くるみのタルト”に衝撃を受けたそうです。

それ以来、何がなくとも焼きっぱなし、という心境に。
なかでも“くるみ”には思い入れが強いようです。

つくりは、いたってシンプル。
パート・シュクレにクレームダマンド。
その上に、よくローストしたくるみを、しっかりほろ苦さを出した濃厚なカラメルで和えて載せるだけ。

ふふふっ、これが美味しいんだなぁ。

くるみは名産地ペリゴール産。小粒だけど渋みが少なく、くるみ本来の旨味がたっぷり楽しめます。
ぬっちゃり、トロリと溶けるカラメルがギリギリまで焦がされた、とてもいい味わい。
この二つが力強い二重唱。
シュクレとダマンドはでしゃばらず、バックで静かなハーモニーを奏でています。

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素朴だけど、どこか底光りする魅力がありますね。
冬の名残りというイメージもあるので、季節の移り変わりの今、季節限定商品でもあるので、ぜひ食べておきたいですね。








●『タルトレット プランタン』 径6.5cm 高さ3.2cm 55gほど。
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おっと、きれいな姿のアーモンドが 1、2、3 ……8個も! 

スペイン産マルコナ種のアーモンドをフランス産“春の蜂蜜”に1週間漬込んだものだそうです。剛毅だねぇ。
“春の”だから、printemps プランタン。

ブリゼ生地にオレンシピール入りのダマンドを詰め、アーモンドを載せ、ピスタチオとオレンジピールをあしらっています。

オレンジの香り、かすかな蜂蜜の甘やかな香り、オレンジとグリーンの色合いも春気分。
ふくよかなダマンドに、ピールを入れたことが、功を奏していて、とても華やかで品があり、春の嬉しさを連れてきてくれています。

カリッコリッと弾むような食感も元気溢れる感じ。マルコナ種を使っているので、アーモンドの味わいが特別に円やかで豊かです。
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すべてが春のほのぼの気分でたっぷり豊かに膨らんで行くなかに、ブリゼの軽い塩気が引き締め効果を発揮して、よりいっそうを気品を高めているのです。タルト台の交換、適中。


長い長い寒さに縮こまった気持ちが、すっかり伸びやかに。春よ、こい!




つきつめた洗練の味わいなのですが、どこか日常性を残しているからでしょうか、食べるとまたすぐに行きたくなるお店。
「UTAKO」さんは、高槻市が有力な飲食店を育てて街の活性化を図る“飲食店出店支援制度”の第1期生。高槻の期待の星でもあるのです。その期待以上に、急速に輝きを増しているように思います。
フランス古典菓子をベースに、気を衒うことなく、一品一品丁寧に仕込む落ち着きこそが、輝きの源でしょう。



●『サワーポメロのシブースト』380円  『フランス産くるみのタルトレット』280円  『タルトレット プランタン』280円

●「パティシエール UTAKO」
 大阪府高槻市富田丘町13-18  TEL072-601-6175  定休日/火曜

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