パイ日和

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help リーダーに追加 RSS カファレル『チョコレートのタルト』『栗のタルト』

<<   作成日時 : 2009/01/10 23:15   >>

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神戸三宮、トアロードを上がって中山手よりさらに進むと、観光名所となっている“北野工房のまち”の、次の交差点の角に「カファレル」さんがあります。
イタリアの有名なチョコレートメーカー日本法人本店。チョコレートはいうまでもありませんが、なかでも私たちは、その名に恥じない、北野本店のみ販売の生ケーキにずっと注目してきました。
いつ行っても、うっとり気分で眺め、そして口にして、再びうっとりという洗練の極み。高水準なのです。

残念ながら、こちらはパイはなく、タルトも今まであまり出会ってこなかったのです。
ですが、今回は2つ見つけました。名店だというのに、ようやく“パイ日和”に初登場です。


●『チョコレートのタルト』 径6cm 高さ3.3cmほど。
画像
カカオ風味のタルト生地に、プチプチの種をたっぷり含んだフランボワーズのジャム。
その上から酸味のあるガナッシュを流し、表面グラッサージュ。
トッピングに生のフランボワーズが、7つ。
写真ではわかりませんが、その中央と間にはピュレ。
トップに、薄いチョコレートのプレート。

ハートマークが飛び交っているデザインながら、色を抑えた見掛けがシックで大人の味わい。
味の方もその渋さに負けない、洗練され磨き抜かれたものです。

まずタルト生地。ほとんど甘みを感じない存在を消そうとしているかのような味わいなのですが、サクサクとした食感のキレと香りの高さ。
ガナッシュにもフランボワーズにも負けていません。大したものです。

そしてジャムの酸味とチョコレートの酸味、さらに生のフランボワーズ、ピュレ。
それぞれが酸味を競い合っていて、美しいグラデーションを感じさせつつ、一体化も成し遂げています。
一体化はフランボワーズとチョコレートの間でも起こっていて、本当にまとまりのいいケーキに仕上がっています。

しかも、しかもなのですよ。
この当たり前の組み合せで最後の一口まで刺激的であることも、ちょっと信じられないくらいに素晴らしいこと。う〜ん、参ったなぁ。





●『栗のタルト』 径6cm 高さ3.3cmほど。
画像
こちらのケーキはどれも商品名がシンプル。覚えやすくて、助かります。
だけど、それに騙されてはいけません。
複雑ではありませんが、際どく渋い路線、洗練の細道を行くようなお菓子ばかりなのです。

これなどまさに、大人の夢のタルト、洗練の極致です。

タルトはパート・シュクレだけど、砂糖を思いきり控えています。粉の香りが馥郁と立ちのぼってきます。
ミルクチョコのガナッシュを流し、上は栗のクリーム。
その2層の間に栗のダイス(マロングラッセかもしれません。ラム酒の香りがしているような気がします)、そして赤ワインに漬けたイチジクもちらほら。
表面は、ミルクチョコレートをピストルで噴霧。
トップには、和栗の甘煮のダイスを栗のシロップで寄せたものとチョコレートのプレート2枚。

ガナッシュが甘み、酸味、苦味、ミルクのコクがとてもうまくブレンドされていて、すっと自然に口に馴染んで、その上、とても奥行きの深い味わいを堪能させてくれます。
栗のクリームも、栗本来の優しいほのぼのとした香りを大切にしていて、満足度の高いもの。
栗のダイスはそれを補強するものとして、素直に受け入れられるアイデア。

おっと、もう一つのイチジクの赤ワイン煮が一筋縄では行きません。種のプチプチ感は楽しいアクセントどまりですが、赤ワインの香りと酸味がしっかりと主張しています。
普通、これほど強い香りを合わせると栗の風味が消えてしまいがち。それが平気で同居しているのです。酸味がどういうわけか、ガナッシュとクリームを繋いでいるように感じます。なんだか、すごくまとまりがいいのです。

不思議?! 魔法にかけられたのか、夢のなかにいるのか……。
その美味しさをなんとか文章に定着させたいのに、印象はどんどんはかなく消えて行く感じ。
時よ、止まれ! と叫んでみたくなりますねぇ。



タルトをはじめてご紹介できる嬉しさの半面、うまく書き切れないもどかしさも感じています。
じつは前回、当ブログ“パイ日和・おまけ”でアテンドサービスばかりでなく、商品知識が本当のサービスでは、とエラソーに厳しいことを書いたのです。ここのケーキが大好きだからこそ、の気持ちからです。
そして今回。またまた諦めず、簡単な質問をしてみると、商品研究ノートのようなものを持ち出して、丁寧に教えてくれました。販売のスタッフの人たちがシェフから教わりながら、自作したノートだそうです。手書きでケーキのイラストと説明が書いてありました。教えてくれた女性も、“あまり覚えていなくて”と言いつつ、嫌そうではなく、好感がもてました。
たったこれだけのことなのですが、どんどん魅力的なお店になってきている、と感じました。販売スタッフも、自店のお菓子が好き、という気持ちが大事だと思うのです。

やはり、気になるお店は、ときどき訪問してみなきゃいけませんね。自戒を込めて、の感想です。



●『チョコレートのタルト』472円  『栗のタルト』472円

●「カファレル北野本店」
 神戸市中央区山本通3-7-29  TEL078-262-7850  定休日/水曜

※ブログ「パイ日和・おまけ」(http://pie-omake.at.webry.info/)にも、このお店のタルト以外のお菓子を紹介しています。よかったら、どうぞ。

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