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zoom RSS アトリエ ラ パージュ ブランシュ (3)  『タルトタタン』

<<   作成日時 : 2008/01/04 21:37   >>

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京都・北山通り。やや東に地下鉄松ヶ崎駅があります。その北西5、6分のところに「アトリエ ラ パージュブランシュ」さんがあります。洗練されたオリジナリティの高いケーキで、惹き付けてやまないお店です。
今回、シェフのチエさんとたまたまお話することができ、タルトタタンをぜひ、と勧められました。タタン好きには願ってもないお誘い。

ということで、今年の初の、目出度い&愛でたいパイは、大好物のこれで。
2008年、新たな気持ちで張り切って参りましょう。


●『タルトタタン』 辺10.5cm 高さ3.5cmほど。
画像
あぁ…美しく輝く飴色の、この深さ。一目見て気に入りました。

言うまでもないリンゴの季節の銘菓。どれだけじっくりリンゴを焼き込んでいるのか、そこに焦点の当たるお菓子です。
でもチエさんにかかると、そんな単純なものではなくなります。
まずリンゴの魅力の追求があります。紅玉を使ったものは、酸味がたっぷりですが、食感がなくなりペチョペチョタイプ(これも好きです)。
繊維の残るタイプのリンゴだとシャキシャキとして、やや焼き込みが足りないような感じも残ります。彼女はその中間を狙いました。

十分に焼き込んだ仕上がりはネッチリと粘り気のある、驚きの食感。味は深く、たっぷりの糖分がカラメリゼされて、苦味も含んで大人の味わい。う〜ん、素晴らしい!
お聞きしたところでは、どうやら一度ソテーしてから焼いておられるようです。この独自の食感、味を究めるために、隠れた努力、追究の日々があったことが想像されます。
そして、生地はパートブリゼを折っているのですが、その食感たるや、サクサクを通り越してサラサラと言いたくなるほど、細かな鱗片に手もなく崩れてしまいます。
ネッチリのリンゴにサラサラの生地。
この組合わせの妙、さらにはリンゴの果実としての香りを残しつつ、しっかりしたカラメルの香り、そしてブリゼの芳ばしさの饗宴。

シンプルなお菓子のはずが、微妙なこだわりを追究することによって、他店では食べられない独自性を得るとともに、繊細でいて芯の強い、気品のある名品が生まれたのだと思います。



チエさんのケーキをいただくと、“arrogance”という言葉を思い出します。
辞書では高慢だとか横柄という訳語が出てきて、ちっともいい言葉ではないのですが、かつてのハリウッドの大女優などに“アロガンスのある ”と敬意を込めて使われることのある言葉です。“位のある”と訳すべきではないのでしょうか。アロガンスがなければエレガンスも生まれない、そういう種類の言葉だと私は思っています。
こちらのケーキも、人に媚びることなく凛とした姿勢を貫いていて、しっかりした主張を貫きながら、これでもかと大袈裟になることもなく、静かな佇まいを保っています。マーケティング上の狙いや流行などとも無縁。奇を衒うことなく、遥か群集を離れて、という気品に満ちています。
まさにアロガンスとエレガンスのお菓子(もっとも、ご本人はそんなこと初めて言われました、とのこと)。

この水準のものは、きっと完成までに十分な時間をかけておられるとは思うのですが、これからもすばらしいケーキをもっともっと生み出して欲しいと、ついつい欲張ってしまいます。



●『タルトタタン』470円(週末限定、しかもすぐ完売してしまうので、ご予約をお勧めします)

●「アトリエ ラ パージュブランシュ」
 京都市左京区下鴨北茶ノ木町28-6  TEL075-723-5329  定休日/不定休

※ブログ「パイ日和・おまけ」(http://pie-omake.at.webry.info/)にも、こちらのパイ以外のケーキを紹介しています。よかったら、どうぞ。

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